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GWF-A1000 開発ストーリーモジュール・アプリ編

多機能を思いのままに。
実用の先にある操作する喜びが、
新たな体験を生み出す。

アナログという新たなスタイルで、ダイバーズウオッチに求められる機能性を追求しながら、専用アプリという新たなプラットフォームで利便性を高める。時計単体でできることと、スマートフォン連携でできること。モジュール開発とアプリ開発は、手法こそ違うものの、目指すべき目標は同じ。新たなユーザー体験を生み出すことにあります。モノとコトの両面で、FROGMANが提供する価値とは何なのか。2人のキーパーソンに話を伺いました。

商品企画担当 チーフ・エンジニア 牛山和人 開発本部 開発推進統轄部 プロデュース部

モジュール企画 黒羽晃洋(右)
開発本部 開発推進統轄部 プロデュース部
アプリケーション開発 東別府聡(左)
開発本部 アプリケーション開発統轄部 第一開発部

─ アナログモジュールの開発は、どのように進められたのでしょうか。

黒羽:初のアナログモデルということもあり、まずはダイバーズウオッチに求められる基準を満たすことから開発に着手しました。

ダイバーズウオッチには、潜水時に経過時間と現在時刻を表示しなければならないという規格があります。そのため、一般的なダイバーズウオッチには回転ベゼルがついており、これを回転させて分針をゼロの位置にセットしてから潜行することで、経過時間がわかる仕組みになっています。

ところが、GWF-A1000には回転ベゼルがついていません。G-SHOCKが定める耐衝撃性を確保するためには、落下時などに衝撃を受けやすい回転ベゼルは搭載できないというのが主な理由です。そのため、回転ベゼルにかわる方法で、時間を計測する手法を確立する必要がありました。

そこで、この問題を解決するべく、ダイバーズウオッチ用のアナログモジュールを新規開発。たどり着いたのは、回転ベゼルのように目盛りの方を動かすのではなく、針の動きそのものを変えることで時間を計測するという方法でした。

具体的に説明すると、潜水時には、時針と分針が重なり、一本の針として経過時間(分)を表示。浮上後は、時針と分針がわかれ、水面休息時間(時・分)を表示します。このとき、秒針を逆回転させることで、インターバルタイム計測中であることが一目でわかるようになっています。GWF-A1000には、この機能をダイブモードとして搭載。モード中の時刻表示を小針(ワールドタイム針)で行うことで、センター針をフルに使いながら、現在時刻の同時表示も可能にしています。アナログの表現を広げることで、他のダイバーズウオッチにはない機能表示を実現する。それこそが、今回のモジュール開発における最も大きな成果だったと思います。

黒羽氏は、高機能アナログウオッチのモジュールを数多く担当。

黒羽氏は、高機能アナログウオッチのモジュールを数多く担当。

ダイブモード中の針の動きを実演。時針と分針が重なり、一本の針として潜水時間を表示する。

ダイブモード中の針の動きを実演。時針と分針が重なり、一本の針として潜水時間を表示する。

─ アナログ計測を実現するために、どのような技術的ハードルがありましたか。

黒羽:複雑な針の動きを実現するため、駆動用のモーターに高速運針可能なデュアルコイルモーターを3個使用。制御用のLSIも新規開発し、時針・分針・小針(ワールドタイム針)を、それぞれ個別にコントロールしています。いままでは2個が限界だったので、技術的には大きな進化ですね。従来型のモーターとあわせて、合計5つのモーターですべての針を動かしています。

これにより、針の動きが従来比で最大2.8倍スピードアップしました。数分かかることもあるモード切り替えも、わずか数秒で完結。また、ダイブモード中、時分針が小針(ワールドタイム針)と重なっても、ボタン操作で一時的に退避させることができ、時刻表示の見やすさにも貢献しています。

また、ダイバーズウオッチの規格のひとつに耐磁性能があり、GWF-A1000ではモジュール内に複数の耐磁板を入れることで、モーターへの外部からの磁界の影響を抑えています。しかし、限られたモジュールのスペースで5つのモーター全てを耐磁板で覆うこと自体がハードルが高く、それに加えてモーターを耐磁板で覆うと標準電波受信の感度に悪影響を及ぼすため、このバランスをとるのに苦労しました。何度も試作を繰り返し、開発ノウハウの1つである高密度実装技術を駆使して基準をクリアしています。

もちろん、針の動きに直接関係のない部分にも独自の技術が使われており、そのなかには今までの技術資産も数多く含まれています。アナログ文字板への高輝度LEDの搭載にはじまり、標準電波受信とBluetooth®による時刻修正システム、遮光分散型パネルによるソーラー充電システム、りゅうず操作で多機能を操るスマートアクセスなど、様々な技術がひとつのモジュールに集積されており、過去の積み重ねが今回につながっているのは間違いありません。

G-SHOCKで初めてデュアルコイルモーターを3個搭載。コイルを2つ連結することで、高トルク・高速運針を実現。

G-SHOCKで初めてデュアルコイルモーターを3個搭載。コイルを2つ連結することで、高トルク・高速運針を実現。

カーボンモノコックケースに収まったアナログモジュール。カシオ独自のテクノロジーが結集された心臓部。

カーボンモノコックケースに収まったアナログモジュール。カシオ独自のテクノロジーが結集された心臓部。

─ アナログモジュールの開発は、どのように進められたのでしょうか。

東別府:現在、G-SHOCKには多くのスマートフォンリンク機能搭載モデルが存在しますが、FROGMANではGWF-A1000が初の試みとなります。多機能はデジタルモデルに分があるというイメージがあるなか、専用アプリの開発は、時計単体の機能を補完する意味でも、活用スタイルを広げる意味でも、大きな意義のある挑戦でした。

しかも、今回のスマートフォンリンク機能は、Bluetooth®システムの省電力化により、時計とスマートフォンの常時接続が可能になっています。アプリ開発は、こうした背景も踏まえながら進めていきました。

最も力を入れたのは、時計に搭載されたダイブモード、タイドモードと連動した機能ですね。

そのひとつが、ダイビングログ。簡単にいうと、ダイブモードで計測したデータをアプリ上で管理する機能のことです。潜水日時、時間、本数などをタイムライン表示するほか、ダイビングポイントもスマートフォンのGPS機能と連動して地図上に表示できます。常時接続のため、データの転送はすべて自動。ダイビング終了後、船上でスマートフォンを手に取ると、すぐに活動データが確認できます。

もうひとつが、タイドポイント設定。アプリに世界の主要ダイビングスポットを約3,300ヶ所プリセットし、地図上から任意のポイントを選ぶだけで、その場所の潮汐情報と現在時刻を時計に転送し表示できる機能です。時計単体でこれだけのポイント情報をカバーすることはできないので、まさにアプリならではの機能といえるのではないでしょうか。

アプリ開発プロジェクトの中核を担う東別府氏。

アプリ開発プロジェクトの中核を担う東別府氏。

タイムラインには、ログブックの管理に役立つ情報も表示。撮影した写真も追加できる。

タイムラインには、ログブックの管理に役立つ情報も表示。撮影した写真も追加できる。

タイドポイントの設定も簡単。プリセットにないポイントも任意に指定して時計に転送することが可能。

タイドポイントの設定も簡単。プリセットにないポイントも任意に指定して時計に転送することが可能。

─ ダイビング機能以外にも、こだわった点はありますか。

東別府:FROGMAN専用アプリとして、ぜひ見ていただきたいのがビジュアルの作り込みです。画面全体で深海のイメージを表現するとともに、スワイプ操作でページをめくると、背景が少しずつ深海に潜っていくアニメーションになっているなど、ダイビングファンの気分を盛り上げる、遊び心のあるデザインに仕上げています。

さらに、アプリとしての使いやすさを追求するうえで、UIデザインにも力を入れています。機能説明を活用シーンごとに見せたり、操作説明を時計本体のイラストと連動させたりするなど、より直感的に内容がわかる工夫を各ページに凝らしました。

また、スマートフォンリンク機能の魅力として、アプリで設定した機能が、すぐに時計に反映されるという面白さがあります。たとえば、ワールドタイムの都市入替機能では、アプリ上のボタンをワンタッチするだけで、時計の針が動き出し、メインダイアルとインダイアルの時刻が入れ替わる様子を見ることができます。しかも、針の動きにも緩急があり、最後はソフトランディングするようにゆっくりと止まる。時計を自在に操っている感覚があり、なにより見ていて飽きません。

これからも、そういった情緒的な部分にこだわってものづくりを続けていきたいですね。時計とアプリが連携することで、できることはまだまだあるはず。モノとコトの両面で、新たなユーザー体験を提供する。その一端を、GWF-A1000で感じていただけたらと思います。

アプリで設定した機能が、すぐに時計に反映される。操作する喜びこそ、スマートフォンリンクの醍醐味。

アプリで設定した機能が、すぐに時計に反映される。操作する喜びこそ、スマートフォンリンクの醍醐味。

GWF-A1000開発ストーリー

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