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190万分の1の可能性を探る、MY G-SHOCK。
Case01 藤井隆行
ノンネイティブ デザイナー

The only one watch in this world

「自分好みの色でG-SHOCKがつくれたなら」。そんな願望を叶える企画が、10月20日よりスタートします。「MY G-SHOCK」と名付けられたそのサービスは、定番の5600型をベースに、文字板、ベゼル、ベルト、ベルトループ、バックルの配色を自分の好きなように決められるというもの。その組み合わせの合計は、なんと190万通り以上にも登ります。 今回はそんな「MY G-SHOCK」を、実際に体験してもらいました。

1回目に登場するのは〈ノンネイティブ(nonnative)〉のデザイナー・藤井隆行さん。自身のブランドのデザインはもちろん、さまざまな別注を手がけてきた藤井さんによる色出しは、らしさ溢れる白眉の仕上がりでした。

Profile

藤井隆行 / nonnative デザイナー

1976年生まれ。セレクトショップや、ストリートブランドの販売を経て2001年に〈ノンネイティブ〉のデザイナーに就任。同ブランドのコレクションを展開する一方で、さまざまなブランドとコラボレーションも積極的におこない、数々の名プロダクトを生み出してきた。

G-SHOCKは時計の概念を変えたブランド。

10月20日よりスタートしたカスタムサービス「MY G-SHOCK」。1983年に発売されたブランドの初号機である「DW-5000C」の系譜を受け継ぐ定番モデル「DWE-5610」をベースに、文字板、ベゼル、ベルト、ベルトループ、そしてバックルの配色を自分好みの色にカスタマイズできるというサービスです。

「『DW-5000』は80年代に生まれたアイテムですが、当時のデザインって絶好調だったじゃないですか。ハイテクっていうと、いまとなれば大袈裟かもしれないですけど、当時はテクノロジーっていうものに言葉以上の期待や興奮が含まれていた時代でした。コンピューターもそんなに普及してなかったし、70年代のデザインともちがう。『DW-5600』シリーズもその後継モデルとはいえ、そんな80年代のデザインの香りがしますよね。いまでもその強さは感じます」

テーブルに置かれた色とりどりのパーツに目を通しながらそう話すのは、これまでさまざまな名プロダクトを生み出してきた〈ノンネイティブ〉のデザイナー・藤井隆行さん。今回は藤井さんに、「MY G-SHOCK」でオリジナルの時計をつくってもらいます。

「〈G-SHOCK〉って時計の概念を変えたブランドだと思うんですよ。時計をファッションアイテムとして打ち出したし、衝撃耐性もすごい。むかしからその姿勢はブレてないですよね。印象的だったのは〈G-SHOCK〉がデジカメを出したときで、あれは本当に素晴らしいと思いました。写りの綺麗さとかではなく、落としても壊れないっていう絶対的な価値をカメラにも与えていた。それってブランドとして軸がしっかりしているということじゃないですか」

10代の頃にデジアナのモデル「AW-500」をよくつけていたという藤井さん。90年代には〈G-SHOCK〉ブームを通過し、当時を思い出しながらこんなことを語ってくれました。
「90年代はすごかったですよ、ヴィンテージデニム、ヴィンテージスニーカー、それと〈G-SHOCK〉みたいな感じで、価値のあるものといえば、その3つのアイテムでした。それで財産を築いた人もいたんじゃないですかね。ぼくも当時、ニューヨークへ行ったときに『DW-5700』見つけて、日本に帰ったらそれがすごい高値で販売されていて驚きました。」

悩みすぎてどれか決めないと先に進まない。

そんな話をしながら、テーブルに置かれたパーツに目を戻します。今回「MY G-SHOCK」を体験するに当たり、イメージしているカラーリングなどはあるのでしょうか?

「なにもイメージしてなかったですね。これだけ色のバリエーションがあるとすごく悩みそう。組み合わせって190万通り以上あるんですよね? その内のひとつをつくるのか…。ぼくはあまり派手な色は身につけないから地味なほうがいいかもしれない」

まずは文字板から選びはじめます。今回のベースとなる「DWE-5610」は、初号機のデザインを継承した後継機。
ブランドの中でも定番の位置づけです。

「〈G-SHOCK〉って、メカみたいなすごく多機能なアイテムがある一方で、この『DWE-5610』のようにシンプルなデザインのアイテムもきちんと残している。そういうところが魅力的だと思います。服やスニーカーにもいろんな周期があって、時代によって求められるものが変わってくるのと同じように、こういうシンプルなモデルはいまの時代に合っていると思いますね。これからのファッションはアメカジ色が強くなると思うし、こういうアイテムがきっとハマる。全天候型だし、重量感もちょうどいいです。おそらくもっと軽くつくれると思うんですけど、あえてそれをしないという意思を感じるというか。そこがいいですね」

そう語りながらアレコレと悩み、意を決して手に取ったのは液晶の中まで黒いオールブラックの文字板でした。 「文字板はシンプルなものがいいから、オールブラックにします」と話しながら次はベゼルを見渡す藤井さん。色とりどりのベゼルを文字板と組み合わせて、色合わせをチェックします。

いろんな組み合わせを試した結果、「コレ、いいかも」とひと言放って組み合わせたのはマットでクリアなパーツでした。

「この組み合わせは意外と相性がいいかもしれない。このベゼルの色、ちょっとグレーっぽいし、文字板の黒と合わせるといい感じにグラデーションになりますね」

渋さを感じるけど、さりげなく遊びもある。

フェイスの組み合わせが決まったところで、つぎはベルト選び。ここはデザイナーの腕の見せ所ともいえるポイントでしょう。ベゼルと同じ色を選んでワントーンでシンプルに決めるのもいいですが、色合わせの妙を楽しみたいところ。ちなみに、上下で異なる配色を選ぶこともアリです。「やっぱりインラインにある組み合わせはしたくないですね」と、藤井さんも頭をフル回転させながらベルトを選んでいきます。

最初に手に取ったのはベージュ。〈ノンネイティブ〉でも数多くのアイテムで採用され、ある意味藤井さんらしいカラーともいえますが、文字盤に合わせながら「うーん」と悩ましげな様子を浮かべます。

「あまりピンとこないですね。ちなみにベルトループは1連と3連でどちらかを選ぶ感じですよね? じつはターコイズを差し色として使いたくて。だけどベージュに合わせるとちょっと可愛らしくなっちゃうんですよ」

ベルトループは3連にした場合、3つそれぞれ異なる色を選ぶことも可能です。どうやら3連のうちのひとつにターコイズを使いたいご様子。ベルトとフェイスのコンビはもちろん、同時にベルトループとの組み合わせも模索しながら、全体的なカラーバランスを眺めて相性を探ります。

「ターコイズとグレーは相性がよさそう。グレーって結構いろんな色に合わせやすいんですよ。黒やネイビー、それにオリーブとかミリタリーカラーにもフィットしますし。そこにワンポイントでターコイズを入れると、石の入ったバングルみたいになるかなと」

ということで、ベルトはグレーに決定。3連のベルトループは「グレー、ターコイズ、グレー」とセレクトし、バックルは黒を選択。「これで一度組んでみたい」とのことで、すべてのパーツをセッティングして藤井さんに渡すと、「いい感じですね」とご満悦の様子。しかしながら、まだ決定には至らず。なにやらテーブルにあるベルトループのパーツ群を見つめる藤井さん。

「やっぱり3連のベルトループのうち、バックル側にくるやつを黒にしていいですか? 腕に巻いた時にバックルから、黒、ターコイズ、グレーとベルトループが続くことで、グラデーションっぽくしたくて」

絶妙な色の違いにまで気を配り、カラーリングへのこだわりを見せます。オーダー通りにベルトループを交換し、ふたたび組み終わった〈G-SHOCK〉を手に取ると「これなら使えそう。完成ですね。なんかありそうでなさそうなカラーリングじゃないですか?」と、ようやく安堵の表情を見せてくれました。

「これだけ色の数があると、どうしても迷ってしまいますね。だけど、さっき話したようにグレーって何にでも合わせやすい色だし、こういうターコイズのワンポイントがあると、女性にも褒められそう。渋さを感じるけど、さりげなく遊びもある、みたいな」

藤井さんがそう語るように、グレーをベースにすることで使いやすさがありながらも、効果的に差し色を入れることでファッションアイテムとしての魅力がプラスされています。どこか〈ノンネイティブ〉らしさも感じる配色です。

「このワンポイントがそうさせているのかな。黒地の服でステッチだけ水色にしたりしてて、いつもそれくらいでいいのかなって思っているので」

渾身の一本みたいな感じで意気込まないほうがつくりやすい。

紆余曲折を経て、ようやく完成まで至った藤井さんの「MY G-SHOCK」。体験してみてどうだったのか、感想を尋ねるとこんな回答が戻ってきました。

「プラモデルをつくっているみたいでおもしろかったですね。男性のファッションって、魅せるポイントが少ないじゃないですか。着られるアイテムは限られるし、男性で化粧する人はそんなに多くない、それにアクセサリーをジャラジャラつけるわけでもない。そういう意味で個性を出したり、遊びを取り入れるには、こういうサービスがすごく効果的だと思います。スニーカーでもこういうサービスをやっているブランドがありますが、それと合わせてつくるのもおもしろそうですね。あとは大切な人のことを考えながらギフトとして贈るのもよさそう」

デザイナーという職業柄、藤井さんは普段からさまざまな生地を見比べ、そこからさらに色をセレクトしています。そのときに意識しているのは引き算だと続けます。

「たとえばスニーカーを別注するとなったときに、ぼくは革靴っぽくしたいなと思うんです。だからベージュを選んだりしてるんですけど。あとはそのアイテムを実際に自分が使うかどうかというのも重要なポイントで。あまり目立ちすぎても飽きちゃうし、『あ、それ履いてるんだ?』って人と会って1時間後とかに気づかれるくらいがちょうどいい。だから色出しするときに最初はぎゅっと詰め込んで、あとから引き算をしていきながらいい塩梅を探るようにしています」

実際にサービスを利用するユーザーに向けて、カスタマイズするに当たってのアドバイスもいただきました。

「1本に絞らず、3本くらいつくるのがいいと思いますね。たとえば自分の持っているスニーカーの色に合わせたり、それとは気分を変えて別の色でつくったり。実際にぼくがもう1本つくるなら、やっぱりミリタリーっぽい色でつくりたいと思ってて。最初にグレーを選んだから、今度は薄い色がいいなと思ったんです。あとは文字板も黒にしたから、次は白にしてみたい。そういう感じで、何本かつくってみるとシチュエーションや気分によっていろんな使い方ができる。渾身の一本みたいな感じで意気込まないほうがつくりやすいと思います」

終始楽しそうに色出しをしていた藤井さん。最後に、「MY G-SHOCK」でつくったこの1本を実際に腕に巻くとしたら、どんなシーンでつけたいか訊いてみました。

「この色ならどんなシーンでも、どんなウェアでも合わせやすいと思うんですよ。それこそグレー系のスーツにあえて合わせるのも面白いかもしれない。なので、運動やアウトドアシーンに限らず、普段使いしたいですね。オンでもオフでもつけられるというか。ある意味それは〈ノンネイティブ〉っぽいのかなとも思うし。この配色、だんだん気に入ってきました。いい感じの時計ができてよかった」

DWE-5610-SP1
¥17,160-

Photo : Kazunobu Yamada
Text : Yuichiro Tsuji
Edit : Yosuke Ishii

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