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五十嵐カノアが語る、
サーフィンと家族、そしてG-SHOCK

プロサーファーとして世界最高峰の舞台で活躍を続ける五十嵐カノア。記憶に新しいパリ大会を終えて拠点のハンティントン・ビーチから帰国していた彼にロングインタビューを敢行。ビギナーからエキスパートまで共感できるサーフィンの魅力やアドバイス、強さの源でもある家族からの教え、そして永らくアンバサダーを務めるG-SHOCKとの絆など、ここでしか聞くことのできないエピソードを語った。カノアが見据える4年後に向けたビジョンとは?

▼五十嵐カノア profile
競技:サーフィン
生年月日:1997年10月1日(27歳)
出身地:アメリカ合衆国カリフォルニア州
キャリアスタート:3歳

主な成績:CTツアー第3戦『Corona Bali Protected』で自身初、アジア人初の優勝、2021年東京オリンピックで銀メダルを獲得。
2022年のISA World Surfing Gamesで悲願のワールドチャンピオンに輝く。詳しくは【こちら】

Topic 1
カノアが語るサーフィンの魅力

ーーまずはパリの大舞台、本当にお疲れ様でした。

五十嵐カノア(以下カノア):ありがとうございます!

ーー今回の大会が行われた仏領ポリネシアのタヒチ(チョープー)での3週間はいかがでしたか? 

カノア:本当だったら他の競技のアスリートもいる環境で生活するのですが、今回のパリ大会はサーフィン競技だけがタヒチで開催されました。周りにいるのがサーファーばかりという違和感が楽しかったです。

ーー期間中は日本代表のメンバーと行動を共にされていたんですか?

カノア:はい。TEAM JAPAN全員で同じ志に向かって過ごしていたので、これまでに味わったことがない程、日々いいエネルギーをもらい続けていましたし、穏やかな生活を送ることができました。

ーートップアスリートが一堂に集結するわけですから、タヒチの心地いい気候も相まって、ポジティブなパワーで溢れていたんでしょうね。生活のルーティーンはいかがでしたか?

カノア:誰からの指示があるわけでもなく、全員が朝の5時くらいに自然と目を覚ましてきます。まだ外が暗い時間帯から少し陽が昇る頃まで一緒にヨガをやって、その後に朝食を摂る、そんなリズムで日々を過ごしていました。

ーーサーフィンは個人競技ですが、仲間たちといいバイブスの中で練習に取り組むことで、いつも以上のパフォーマンスが発揮できそうですね。

カノア:ここにいる全員で同じ目標に向かってチャレンジするんだ、という意思がどんどん強くなっていって、最終的にはかなり強力な一体感が生まれていました。

ーー私は日頃、趣味でサーフィンを楽しんでいるのですが、やはりチョープーの波についても気になります。

カノア:これまでたくさんの海でサーフィンをしてきましたが、僕の中でもチョープーはTOP 3に入る特別なポイント。チョープ―の海でできる大きくてパワフルな波の形やその動き方は通常の波とは異なるので、いつもの乗り方だと上手く乗れません。あの波を初めて体感する方は誰しも、“別の競技をしているんじゃないか?”という感覚に陥ると思います。

ーー私たちがいつも行く日本の波とは別物ですか?

カノア:普通だったらセット(※)がアウト(沖)から入ってきたとき波を目視できますよね? 一方チョープーは、波が立つというより、海の水がなくなって一気に割れるイメージに近い。言葉では上手く説明しづらいな……、あの独特な波は、自分の目で見ないと理解できないと思います。それくらい別格ですね。
(※セット:一定の間隔でまとまって入ってくる比較的大きな波)

ーーエキスパート以外のサーファーが遊びに行っても楽しめそうですか?

カノア:プロでも2、3回行かないと感覚が掴めないので、もしかすると楽しめないかもしれません(笑)。僕は13歳の頃に初めてチョープーの波を経験しましたが、その時は“なんだ、これ!?”と感覚を掴むのに精一杯で全く楽しむことができませんでした。波の構造が理解できたのは、3回目にトライした17歳の時だったと思います。
でもチョープーの波は見るだけでも人生観が変わると思うし、タヒチには他にビギナー向けのポイントもたくさんあるので、サーファーなら一度は行ってみて欲しいですね。

ーー今回のインタビューでは、サーファーの方はもちろんのこと、これからサーフィンを始めたいと思っている方も海に行きたくなるような“サーフィンの魅力”について語っていただきたいと思います。カノアさんが思うサーフィンのワクワクする瞬間ってありますか?

カノア:よく波に乗るって表現がされがちですが、実際にやってみると、乗るというよりも滑る、走る感覚に近い。いや、 波と一緒に踊るといった表現が一番ピッタリかもしれません。あの時に得られる快感は何ものにも代え難いものです。サンセットに照らされてキラキラ光っている波を滑る、ありきたりだけど、それがすべてのサーファーが共感できる一番のサーフィンの魅力じゃないでしょうか。

ーー初心者から始めて波に乗れるまでに時間がかかってしまうのも往々にしてあると思います。私の周りにも、波に乗れるようになる前に“難し過ぎて無理”だと、諦めてしまった方が何人かいました。そういった方が諦めずに続けられるためのアドバイスはありますか?

カノア:最初の頃は一人で行くよりも、気の合う友達と一緒に行った方がいいですね。波に乗れなくても、友達と一緒に波待ちをしている時間も楽しいですから。

ーーおっしゃる通りで、波待ちの時も含めて心地いい時間ですよね。カノアさんはどんなことを考えながら波を待っていますか?

カノア:ただ“ぼーっ”と待っているだけ(笑)。でも、その待つ時間に何か特別なものを感じるんです。僕たち現代人って無意識のうちに携帯を触って、SNSをチェックしたりメールやLINEを返したり……、気がつくとあっという間に1、2時間過ぎていることが多い。頭では勿体無い時間の使い方をしたと分かっているのに、どうしてもやめられない。サーフィンはそういったものから解放してくれます。
綺麗な景色の中で、塩水に浸りながら体いっぱいに太陽の光を浴びる、たったこれだけのことなのに気分がスッキリする。健康にもいいし、お金だってかからない。

ーーちなみにカノアさんは、ファンの人から話しかけられることも多いんでしょうね。

カノア:街ではよく「写真を撮ってください」と言われます。ありがたいことなんですが、一緒に写真を撮るよりも、海の上で一緒にサーフィンを楽しみたい。カリフォルニアの海に入っているとたまにローカルのおじさんから時間を聞かれることもあって(笑)。そういったコミュニケーションの方が僕は好きですね。

ーー今回の帰国でも、湘南や千葉の海を満喫していましたよね。

カノア:ファンの方達が会いにきてくれたのは、何よりも幸せな時間でした。日本の海に入ると、“ここはジュニア時代に大会に出てすごく悔しい思いをした場所だな”とか、懐かしい気持ちになれる。自分のルーツを思い出して、マインド・リセットができる場所でもあります。

ーー他にもこれからサーフィンを始めたいと思っている方を含めサーファーが共感できるようなサーフィンの魅力ってありますか?

カノア:いくらでもあるけど、サンセットの時間かな。あの瞬間が最高に気持ちいいので、1年の90%は太陽が沈む時間に海に入って1日の区切りをつけることをルーティーンにしています。

ーー3歳の頃から毎日サーフィンをされているカノアさんでもサンセットの時間は特別なものなんですね。

カノア:何度見てもまったく飽きないですね。

ーーところで私の友人が「サーフィンを始めたい」と言うので一緒に行ったことがあるんです。まずビギナーの方は、海の端っこでパドリングの練習をするところから始めますよね。今年で40歳になるその友人は、どうやらそれがすごく恥ずかしかったみたいで……、一度きりで辞めてしまいました。そんなこと気にしなくていいと思うのですが、カノアさんはどう思われますか?

カノア:はい、恥ずかしがらなくてもいいです。僕は“上手くなりたい!”と必死でチャレンジしている人の姿を見ると幸せな気持ちになります。先日も湘南で「カノアのおかげでサーフィンを始めたんだよ!」と話してくれた人がいましたが、もう涙が出るくらい嬉しかった。ちなみに僕の父は、48歳の時から10年くらいサーフィンを休んでいた時期があったのですが、最近また初めてすぐに上手くなっていましたよ。今年60歳ですが、健康的だし見た目も凄く若々しいです。

ーースタートする時期に年齢も関係ないということですね。

カノア:関係ありません。今回、一緒に帰国した友達も、最近サーフィンを始めたばかりですが、海の上で彼の幸せそうな顔を見ているだけで“今日はなんていい日なんだろう”とポジティブな気持ちになれます。

ーーCT選手のカノアさんが、ビギナーの方と一緒に海に入ることもあるんですね。

カノア:入りますよ。極端な話をすると、技術の上手い下手なんて実はどうだっていいことで、誰と一緒に海に入るかってことが一番大切だと思っています。いい波に乗って最高の笑顔をした友達を見るのが嬉しいし、気の合う仲間と波待ちをしているひと時は何ものにも代えがたい時間。それに、海にいるのはハッピーなマインドを持った人ばかりだから、帰り際に全然知らない人とその日の波について語り合いながら帰る、たったそれだけのことなんだけど、そこに人間らしさみたいなものを感じることができる。それもサーフィンの大好きな魅力のひとつかな。

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Topic 2
強い絆で結ばれる家族&仲間との逸話

ーー先ほどお父様とのエピソードが出ましたが、これまでのカノアさんのご活躍を見ていると、強さや優しさの秘密の裏には“ご家族の心の支え”が大きく関係しているように感じます。

カノア:最も大切な存在のひとつですから関係しているはずです。

ーーカノアさんをより深く知るための手掛かりにもなると思うので、五十嵐家にまつわる心温まるエピソードをお聞きしたいです。まずはお父様からかけてもらった、今でも心に響く言葉やアドバイスはありますか?

カノア:アドバイスか……、もう子供の頃から毎日もらっているから絞りきれません(笑)。言葉よりも生き方を見ながら勉強していますね。
どんな時も、誰に対しても接し方が変わらないし、辛い状況でも、ハッピーな時でも、常にメンタルが安定しているんです。そういった姿を見せ続けてくれていることが、一番のアドバイスになっています。

ーー常にブレずに一本筋の通った生き方をされているということですね。

カノア:父は小学生の頃の友達と今でも仲がよくて、そういった人間性にも憧れますね。

ーーお母様に一番感謝しているエピソードはありますか?

カノア:子供の頃から“自分には厳しく、人には優しく”と言われ続けています。遠征から帰ってくると、疲れの蓄積で“今日は練習したくないな”、“勉強は休みにしよう”と甘えてしまいそうになる時があるんですが、母のその言葉を思い出して自らに与えた課題をこなすようにしています。どんな時でも自分にはハードにならないと強くならないですから。

ーー“言うは易く行うは難し”という表現がありますが、普通の人間は、頭では理解していても日々の行動で実行に移すことが難しいもの。カノアさんは普段から意識して習慣づけているから、すぐに行動に移せるんでしょうね。

カノア:優勝した時でさえ“自分には厳しく”と言い聞かせています。頭の中で意識し続けていると自然と体に身に付いていくものです。

ーー勝った時もですか? せめて勝った時くらいはご自身を労った方がよさそうですが……。でも、そうやって自分を律することでトップレベルの水準をキープしていられるんでしょうね。

カノア:アスリートである以上、常に勝っていないといけないし、それが当たり前とされる世界に身を置いています。一度勝って喜んでいるようじゃ、すぐに下から追い抜かれてしまう。だから勝った時でも、自分に足りなかったものが何かを探し続ける必要があるんです。

負けた時はもっとストイックになって、“この結果には必ず何か理由がある。今はそれを見つけられるチャンスなんだ”と言い聞かせて負けた理由を探る努力をします。そうすると、次の勝利がいつもの勝利よりも大きな意味を持つことになるんです。

ーーそういった前を向いてアグレッシブに生きている姿に、ファンは共感してますます応援したくなるんでしょうね。ところであまりイメージが湧かないのですが、カノアさんにもスランプに陥る時期はあるんですか?

カノア:スランプはないけど、不安になることはあります。僕にもいつか、モチベーションが落ちて“ピークが過ぎたな”と感じる瞬間が必ずやってきますから。

ーーそういった時はどうやって気持ちを切り替えているんですか?

カノア:18歳の頃は“4年後にピークが来る”と思っていましたが、22歳の時は“後4年はいける” と実感できたし、27歳の今は“絶対33歳まではいける”と感じています。そうやって自分の中でピークを更新することができているから、きっと33歳の頃に感じる僕のピークは、もっと先にあるはず。自分のフィーリングを信じるとストレスがなくなるし、物事がいい方向に進んでいくんです。

ーーカノアさんの強さの源は、気分を前向きに切り替えるマインドセットと日頃の絶え間ない努力にあるんですね。先日、同じTEAM G-SHOCKの上山キアヌ久里朱さんにインタビューをした際、彼がこんなこと【その時のインタビューはこちら】を話していました。カノアさんの活躍の裏には、並々ならぬ努力があるんだなと胸が熱くなってしまって。

カノア:その時のことはしっかりと覚えています。この前、オーシャンサイドで彼と会って少し喋ったんですけど、“もしかすると、あの時の僕の行動が少しはいい影響を与えたのかな”と嬉しく感じました。でも実はあれ、キアヌくんの前でわざとやったことなんです。

ーーわざととはどういうことですか?

カノア:僕は絶対に自主練の姿を人には見られたくないタイプ。だから本当は、皆に気づかれないようにガレージからこっそり自分の部屋に戻って、シャワーを浴びてから何食わぬ顔をして過ごしたかった。でも、わざと汗だくの姿で玄関から入って、キアヌくんに「何やってたの?」と聞いたんです。すると彼は「寝てた」と答えたので、僕はそっけなく「いいじゃん、いいじゃん、それで」と返しました。

ーーその行動にはどういったメッセージが隠されていたんですか?

カノア:本気で上手くなりたいなら、僕が練習している間、自分が休んでいることに不甲斐なさを感じるはず。だから、キアヌくんのモチベーションが上がるようなことを言葉ではなく行動で伝えました。日本人サーファーには、もっと上手くなってもらって一緒に成長していきたいですから。

ーーなるほど、それがオーシャンサイドでの“僕の行動が少しは影響したのかな”に繋がるわけですね。キアヌさんは正にこの日アメリカ移住を決断したそうなので、カノアさんの狙いが見事に当たりましたね。

カノア:今後さらに活躍してくれることを楽しみにしています!

ーーそれでは続いて、弟のキアヌさんとのエピソードも知りたいです。

カノア:キアヌって、たまに強気な姿勢で接してくることがあるんです。これは2年前に初めて一緒にハワイの大きな波に乗った時のエピソードなんですが、僕が「今日の波は最高だね」って言うと、本当は怖いはずなのに「うん、凄くいい波だね」と返してきたんです。だから「やっぱり今日の波、ちょっと怖くなってきちゃったな」って意見を変えるとキアヌが「やっぱり? そうだよね、怖いよね」って(笑)。恐怖を隠してるつもりなんだろうけど、兄弟だからちょっとした表情の変化で分かっちゃうんですよ。“お兄ちゃんだから弟の本音は簡単に引き出せちゃうからな!”と、いつも思っています。

ーーとても素敵な兄弟のエピソードをありがとうございます。弟さんにとってライバル意識を持ちつつも、一番信頼できる頼もしい存在がカノアさんなんでしょうね。

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Topic 3
G-SHOCKとの熱いリレーション

ーー続いてはG-SHOCKとのエピソードについてもお聞きします。普段、海には時計を着けて入りますか?

カノア:コーチと一緒の時はマストだし、ひとりで練習する時も必ず着けています。

ーーどういったシチュエーションで役立ちますか?

カノア:30分ヒートのトレーニングをする時、最初の10分は3本、次の10分は1本だけ、最後の10分は2本乗るといったルールを決めるんですが、その時間配分をするのに便利ですね。

ーーサーフィンに夢中になりすぎて、ついつい時間を忘れてしまうことがあると思いますが、そういった時にも時計があると便利ですよね。

カノア:僕は何にも縛られずにずっと入っていたいので、海ではなるべく時間を知りたくありません(笑)。だから使う機能は主にストップウォッチです!

ーーストップウォッチ機能をどのように使いこなしているんですか?

カノア:いつも最初の30分間は、ストップウォッチでセットとセットの間の時間を測って、その日の波のリズムを理解するようにしています。
例えば、大きな波が来るまでに15分かかる日があるとします。そういった時は、大きな波に乗った後、手前の小さな波にたくさん乗って、15分後にまた元の場所に戻って大きな波を待つんです。

ーーなるほど、それは私たちが普段行くような日本の海でも使える方法ですか?

カノア:もちろん使えますよ! 時間を有効活用して、普段よりも効率よく波に乗ることができるのでぜひ試してみてください。僕はいつも80%の確率でセットが来るタイミングを当てていますよ!(笑)

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ーーG-SHOCKでは、カノアさんのシグネチャーモデルを過去3回リリースさせていただきました。スケートボードやBMXシーンで自身のシグネチャーが出ることはとても貴重な経験だと聞いたことがありますが、サーフィンの世界ではどうなんでしょう?

カノア:かなり珍しいことです。僕が知る限りでも、シグネチャーモデルが出たサーファーは世界でたった6人だけ。だから最初お話を聞いた時は“えっ、世界で売ってる時計でしょ? そこに自分の名前が入るの?”と、凄すぎてよく意味が理解できませんでした。トロフィーと同じような存在だと思っているので、使い終わった1日の終わりに自宅のトロフィーの横に置いて飾っています。

ーー本日着用していただいた新作のアイテムについてのリコメンドもいただけますか?

カノア:メタルの雰囲気やフルアナログのフェイスが上品だし、文字盤の黒も無骨でかっこいいですね。 お世辞抜きで本当にクールだと思います。いつも着けているモデルは、どちらかと言うと海に入る時のマストアイテムであり仕事道具的な役割だけど、これはフォーマルなスタイルで街のレストランに食事に行く時などに取り入れたいです。

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ーーこちらのモデルは3つのインダイアルを搭載したフルアナログモデルですが、カノアさんはデジタル派、それともアナログ派ですか?

カノア:海に入る時を中心にこれまではデジタルのG-SHOCKを着用する機会が多かったので、アナログを付けると新鮮な気持ちになれます。デジタルに比べて、パッと見て時間を理解するまでにタイムラグはあるけど、こうして時計と向き合う時間もいいものですね。

ーー続いてはブランドの世界観についてもお聞きしたいです。カノアさんにとってG-SHOCKは、どのような存在ですか?

カノア:サポートしてもらっているから着けているといった安易な発想ではなく、そこには強い信頼関係があると思っています。僕にとってG-SHOCKはファミリーのような存在。応援してくれている人がすぐ近くにいてくれるといった安心感を得られるので、一人で海で戦っている時には本当に心強いです。

ーー私たちも、試合でカノアさんが着けてくださっているのを見ると、なんだか近くで寄り添えているような気がして、“この気持ちが届け”と、より強い気持ちを込めて応援することができます。少し気が早いかもしれませんが、4年後のLAに向けた意気込みについてお聞きしてもいいですか?

カノア:僕は日本の代表ですが、LAも生まれ育った街なので、東京の時と同じく独特のプレッシャーを感じることになる。でも既に東京の舞台を経験しているので、今度はもう少しリラックスして挑めると思います。標準に自分のピークが合えば、必ずいい結果と巡り会える。そのタイミングを合わせる準備を既に始めているところです。

ーーもう準備を始めているんですね。

カノア:まだまだ先のことだと思う人がいるかもしれませんが、4年なんてあっという間。他の競技の方もそうでしょうけど、“もう4年しかない”という焦りの気持ちがあるから、パリが終わった次の日からLAに向けた次のステージが始まっています。

ーーそれでは最後にG-SHOCKファンに向けたメッセージをお願いします!

カノア:G-SHOCKは、僕たちよりも上の世代から着けられていて、それを見て育ったお子さんも着ける、そんなリレーションが既に出来上がっているブランドだと思います。現に五十嵐家でも、祖父の家にはG-SHOCKがあったし、勿論父も着けていた、そしてそれが僕に継承されています。もう、完全に日本のアイコニックな時計ブランド。そういったブランドからサポートしてもらえることで、世界で戦う時にパワーがもらえている。そんな僕の活躍を見たファンの人たちはポジティブな気持ちになる。その連鎖がサーフィンのシーンをさらに盛り上げていくんです。デザインや機能性だけでなく、そういったストーリーも知っていただきたいですね。そうすると、G-SHOCKのことがもっと好きになると思いますよ。

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