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スケーター開 心那|スケートボードで夢を叶えた16歳の素顔

スケートボード・パーク競技で注目を集めるスケーターの開 心那(ヒラキ・ココナ)。2024年のパリ大会で驚くべき結果を残し、スケートボードの魅力をお茶の間にまで広めた心那。どんどんと大きくなっていくシーンの中心にいる彼女は、今を、そしてこれからをどう捉えているのか? 前回のインタビューからさらにパワーアップした彼女に改めて話を聞いた!

▼profile
競技:スケートボード・パーク
生年月日:2008年8月26日
出身地:北海道札幌市
キャリアスタート:5歳
主な成績:2020年東京五輪銀メダル。2023年X Games優勝。2023年世界選手権優勝。2024年パリ五輪銀メダル。

詳しいプロフィールは【こちら】

Topics01
開 心那、その力の源とは!?

ーーX Gamesや世界選手権といった、世界のトップレベルが集結するコンテストで表彰台に登り、16歳という年齢ですでに東京やパリの大舞台に2度も出場してメダルを獲得した事実は凄いこと。これだけ数々の大舞台で戦って結果を残し続けている自分の強みって純粋になんだと思う?

開 心那(以下:心那):うーん。ポジティブな性格なので、難しいトリックに挑戦しても絶対にあきらめないってことですね。大会に出る時も、普段の練習の時も。絶対にメイクするまで帰らないって決めてます。

ーーパーク競技中はどんなことを考えて滑ってるの?

心那:どの大会でも最初の1本目は緊張するんですけど、1本目をフルメイクしちゃえば後は楽しんで滑れます。K POPやリアーナとか好きな音楽を聴きながら、成功した時のイメトレなんかもしてますね。

ーー競技中すごくクールに滑っているから、緊張はあまりしないのかと思ったけど、やっぱり流石の心那ちゃんでも最初の1本目は緊張するんだね。練習中の時は逆にリラックスできてる?

心那:パリ大会の時、フランス入りしてから日本チームで練習をしていたんですけど、現地がものすごく暑くて、滑る集中力も中々続かなくて……。そんな時、日本の監督がリフレッシュに“スラローム”をやろうって!

ーーオールドスクールだね、気分転換にやったらハマりそうだ!

心那:そうなんです。選手もコーチも監督も、立場関係なくみんな集中してずっとスラロームをしてました。監督が昔スラロームの選手だったので監督だけ本気でしたけど(笑)。

ーーいい感じにパリ大会に挑めたんだ、堂々と滑っていたのも納得だね。一番記憶に残っているのが、最後のオーリーUP(※1)からウォールライド(※2)を完璧にメイクしてたところ。あの瞬間は他のみんなもそうだと思うんだけど、TV中継を見ながら思わずガッツポーズしちゃった。

心那:ありがとうございます。

ーー予選から決勝まで、本当に心那ちゃんのスタイルに魅せられたよ。

心那:スケートボードは人それぞれの個性が出るものなので、やはり私だけのスタイルにこだわりたかったんです。やりたい技をただメイクするだけじゃなくて、その後の形やスタイルまでしっかり追求したり。あとはポジティブでいることも。痛い思いをしながら何回も何日もトライして、難しいトリックをメイクした時の嬉しさや達成感が好きなんです。

ーーその嬉しさや達成感をみんなんで分かち合っている姿も、大会を見ているこちら側としては、グッときちゃうポイントなんだよね。SNSで凱旋帰国のポストにも、年齢も性別も超えた多くの仲間からのリプライが寄せられていたのを見て、みんなに愛されてるんだなって思ったけど、心那ちゃんにとっての仲間とはどういったもの?

心那:スケートボードの仲間は本当に大切ですね。どんな時でもお互いに意識を高め合えるし、成長しあえる存在だと思います。トリックが上手く決まらない時も仲間が支えてくれました。スケートボードを通して世界中のみんなと繋がって行きたいですね。

ーー“スケートボードを通して世界中のみんなと繋がって行きたい”、これってすごく当たり前のことなんだけど、大人になるとなかなか腰が重くて、人と繋がること自体が希薄になっていくというか……。でもそれが一番大切なことなんだよね。今心那ちゃんと話していて改めて学べました!

(※1)オーリーUP:オーリーを使って段差などに飛び乗ること。
(※2)ウォールライド:文字通り壁や斜面を走るトリック。

Topics02
近年ますます盛り上がるパーク競技

ーー色々なパーク競技の大会を見ていて思うのが、アメリカやブラジル、日本のスケーターが強いイメージがあるんだけど、心那ちゃんから見た海外スケーターの印象は?

心那:アメリカのスケートパークで練習するときは、いろんな国のスケーターたちと一緒に滑っているんですが、やはりスケーターのレベルは非常に高くなってきていますね。SNSを見ていると小さい子が凄い技をメイクする動画も流れてきますし。スケートボードを始める年齢が早くなったのもあって、大会でも若い年齢層のスケーターが増えてきています。

ーー心那ちゃんもそうだけど、次世代スケーターたちの勢いは凄いね。高難度のトリックを楽々と(そう見えちゃう)メイクしちゃうんだから。ちなみに女子パークは540(※3)をメイクできるかどうかが一つのキーポイントだって聞いたんだけど、最近のトリックのトレンドみたいなものってあるの?

心那:少し前だと540だったり、自分の得意とするノーズ・グラインドをやる人がすごく少なかった印象でしたけど、最近だとみんな当たり前にメイクするようになっています。SNSでトリックを何回も見ながら練習できるようになったから、いろんな国の人たちがレベルアップしてきたのかな?

ーーなるほど、SNSの普及で年齢や国に関係なく、世界的にレベルが上がっているんだね。改めて現在の心那ちゃんが得意とする武器ってどんなトリック?

心那:昔から変わらないんですが、バックサイドとフロントサイドのノーズ・グラインド(※4)は自分の中でも譲れない技ですね。あとはエア・ディザスター(※5)なんかも。もちろん最近パリから始めたウォールライドも滑る時のルーティンに加えています! そうやって、私もどんどん進化しています。

ーー少し話が変わるけど、心那ちゃんのパーク人生でコンテスト意外に忘れられないエピソードって何かある?

心那:今パッと思いつくのは、去年、アメリカ西海岸にある“ワシントンストリートスケートパーク”へ行った時のことです。ここで自分の得意なノーズ・グラインドをパークのセクションを越えて掛けるという難しい技にトライしていたんですけど、何十回やっても出来なくて……。

ーーワシントンストリートスケートパークって、凄いハードコアな場所で滑ってるね。

心那:はい、ローカルのスケーターたちがDIYで作り上げたスポットで、アメリカに行ったら絶対に行く場所なんです。セクションがすごくかっこいいなと思っていて! 友達と一緒に滑ることもあるし、撮影で行くこともあります。路面は全然綺麗じゃなくてボコボコしてるし、(ふちに取り付けられた鉄パイプの)コーピングもガタガタしているし、とにかく色んな意味で凄いパーク(笑)。そこで何十回もトライしてやっとメイクした時なんか、お互い名前も知らないのにローカルのみんなが一緒に喜んで盛り上がってくれたのが思い出です!

――そうやって、海外で、しかも全く知らないストリートライダーたちが集まるような環境で、武者修行みたいなことをしていることも心那ちゃんの強みなんだね。

(※3)540:空中で板を540度(一回転半)回転させるエアトリック。
(※4)ノーズ・グラインド:板の最前(ノーズ側)のトラック部分で縁石の端などを滑るトリック。
(※5)エア・ディザスター:リップから空中に飛び出して180度回転し、デッキの腹をコーピングに当てこむ技。

Topics3
G-SHOCKと私。

ーー2024年2月からTEAM G-SHOCKの所属ライダーになった心那ちゃんだけど、改めてトップスケーターとしてスポンサードを受ける心境は?

心那:大好きなG-SHOCKに自分がサポートしてもらえるのはすごく嬉しいです。テンション上がりますよね。G-SHOCKは大好きなスケートボードとファッションにマッチするから気に入っています!

ーー自身のSNSでもおしゃれなファッションやG-SHOCKを投稿しているよね。心那ちゃんのファッションって色使いとか色選びが素敵だなっていつも思っています。

心那:G-SHOCKを好きなファッションに合わせて、アクセサリー感覚で使っています!

ーーこの前のパリ大会でもG-SHOCKを身に付けてたし、どんな時も愛用してくれているよね。

心那:はい! 今では私の欠かせないアイテムです。毎日どのG-SHOCKをつけようって選ぶのが楽しいんですけど、たくさん可愛いものがあるのでいつも迷っています(笑)。そんな中でも最近特に気に入っているのがこちらです。

――色味がとっても可愛いね。

心那:そうなんです。パステルカラーのピンクとブルー、どちらも素敵。アナログの雰囲気も今の気分です!

ーー去年まではシルバーやホワイトが多かったけど、今年はもう少しフワッと明るいパステルカラーもトレンドになるって意見があるみたい。今日は他にもお気に入りモデルを持ってきてくれたんだよね。

心那:それがこちらです。可愛い色味ではあるんですけど、大人っぽいシルバーのデザインが加わっているので、スタイリッシュにもカジュアルにも身に付けられるG-SHOCKだと思います。

ーー他にも気になっているG-SHOCKはある?

心那:G-SHOCKアンバサダーを務める5人組のK-POPアイドル「ITZY」とのコラボレーションモデルです。メンバー5人のイメージカラーが5色展開していて、ライトをつけた時にメンバーの手描きの絵が浮き出るのが可愛いんですよ♪

Topics4
次世代へのアドバイス

ーーこれまでに錚々たる大会で好成績を残してきた心那ちゃんだけど、次のLAやその先の夢、現時点で思い描いていることについても聞かせて!

心那:出られる大会には出ていきたいし、それこそ大会だけじゃなくて海外での撮影だったりとか、もっといろんなスケートボードの活動もしていきたいですね。夢はアメリカにパーク付きの家を持つこと! 日本とアメリカを行き来しながらスケートボードを続けたいです。世界でずっと活躍していけるレジェンドスケーターになれるよう頑張ります。

ーーそんな心那ちゃんの活動を今後もチェックしたいと思っているファンも多いと思うので、マストで見ておくべき大会とかがあれば教えてください。

心那:今年は怪我の関係で出ることができなかったのですが、来年はまたX Gamesに出場したいと思ってます。あと大会じゃないんですけど、ローカルが集まるスケートパークでのジャムセッションなどにも機会があれば参加したいと思っています。

ーー心那ちゃんのジャムセッションでの活躍も見てみたい! ちなみジャムセッションの魅力ってどんなところ?

心那:さっき話したワシントンストリートとかでも行われているインディペンデントな催しです。ローカルのみんながセッションしながらパークで一番ヤバい滑りをする人を決めるんですけど、コンテストにはない面白さがあるんですよ。

ーーInstagramでスラッシャーとかスケート関連のアカウントをフォローしてるんだけど、そういったジャムセッションを見てると、確かにコンテストとは一味違った雰囲気で面白いよね。まずはコンテストをチェックして、その後にストリートのジャムセッションを見る……、もちろん、その逆でもいいけど。そうするとまた違ったスケートボードの魅力が楽しめるかも! 

心那:絶対そうだと思います!

――あと心那ちゃんの活躍を見てスケートを始めたキッズも多いと思う。トップスケーターを目指す次世代の彼らに何か成長のためのヒントってあるかな?

心那:毎日、夢中になってスケートボードを滑り続けること。思い通りにメイクができなくて悔しい思いをしたことは何度もありましたけど、どんなに辛いことがあってもあきらめずやり続けてきたからこそ、今の自分があると思っています。

ーーあきらめないマインドが大切なんだね。でも、僕もスケートが上手くなりたくて何度も練習したんだけど、まったく上手くならない……、すぐにあきらめちゃうんです(涙)。何かアドバイスをください!

心那:まずはスケートボードを楽しんでやって欲しいですね。最初1人だと滑りにくいと思うので友達同士で始めても楽しいと思います。スケートパークで周りと自分を比べちゃって、セクションに入る時にためらっちゃうこともあるだろうけど、気にせずに入ってください。みんなウェルカムなんで! 自分もそうでしたけど、YouTubeでスケートボードのトリックを見て練習するのもいいですよ。

ーーなるほど、今日は色々と勉強になりました。これからもそんな心那ちゃんの動向をチェックしながら応援させてもらいます。

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