MR.BROTHERS CUT CLUBが
成長し続けるために守る
5つのマイ・ルール

2015年のオープン以来、最も勢いのあるバーバーショップとして、シーンを牽引するMR.BROTHERS CUT CLUB。多くのラッパーやファッションクリエイターたちからも愛される同店は、なぜここまでファンを魅了し続けるのか!? その理由を仕事の流儀から紐解く。代表・西森氏が大切にする5つのマイ・ルールとは。
▼MR.BROTHERS CUT CLUB・西森友弥とは!?
2015年2月、東京・原宿にMR.BROTHERS CUT CLUBを開業。翌年には2号店となる中目黒店もオープンし、10周年を迎えた現在は国内7店舗、海外に2店舗を構える。古き良き時代のアメリカンバーバーカルチャーを日本のライフスタイルに浸透させ、フェードカットの流行を生み出した。そんな多くの著名人からも愛されるブランドを一代で築いた代表 西森友弥氏は、アカデミーを設立するなど積極的に規模を拡大し続け、自らが最前線で日本のバーバー文化を牽引している。
Contents
My Rules 1
いつも使う道具のケアを徹底する
My Rules 2
多忙な時でも身だしなみはしっかり整える
My Rules 3
後進の教育に力を入れる
My Rules 4
仕事仲間は家族のように接する
My Rules 5
バーバーをカルチャーとして盛り上げる
My Rules 1
いつも使う道具のケアを徹底する

商売道具のこだわりは話し始めたらキリがないんですけど、要は技術者にとっての相棒ですからね。僕らが得意とするメンズのベーシックなスタイルを作るのに適した道具を選んで、用途によって使い分けています。特に重要なのはハサミ。今使っているのは日本の老舗ブランド、ミズタニシザーズさんと一緒にオリジナルで開発した物です。バリカンはアメリカのブランドがよく使われていますが、ハサミに関しては海外のバーバーでも日本製が主流。その品質の高さは世界的に認められています。

ハサミって物凄く繊細なんです。例えば、全く同じ外見のハサミが何本か並んでいても、触るだけで自分の物かどうかはすぐ分かります。何年も使っていくうちに手に馴染んでいくんですよね。もし他の人のハサミと交換して使ったら自分の指を切ってしまうぐらい。
だからこそクオリティの高いツールを使っていく中で、それ以上に大事なのが日々の手入れです。ケアを怠ってダメにしてしまったら宝の持ち腐れ。1日の終わりには皮でハサミの刃を整えたり、ベアリングにオイルを差したり、毎日ケアを欠かさず行っています。バリカンもアメリカ製のクラシックな物を使っているのでメンテナンスが必要です。

どんな職業でも商売道具の手入れは基本だと思うんですけど、僕らに関しては道具マニアみたいな部分もあって結構そこも楽しんでいます。ヴィンテージカーやバイクと一緒。手がかかるけど、そこが愛おしいんですよね。そういった愛をもったこだわりが、必ず仕事にもリンクしてくるはずです。
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My Rules 2
多忙な時でも身だしなみはしっかり整える
身だしなみをビシッと整えるのは本当に当たり前のことですよね。みんなカッコよくなりたいと思って、安くないお金を払ってお店に来てくれるわけだから。僕たちは夢を与えないといけないんですよ。やっぱりお客さんって自分よりカッコいいと思ってる人に切ってもらいたいんですよね。それは顔が良いとかそういうことじゃなくて、リスペクトできる部分がないと絶対にリピートしてもらえないんです。そういう説得力として、身だしなみにこそ内側の人間性が現れると思っています。
外に向けてって意味合いはもちろんですが、自分の為でもあるんですよ。外見が乱れていないってのは、つまり余裕があって精神が安定しているってこと。メンタルを常に健康に保つことを心がけています。朝起きて、運動して汗かいて、風呂入って、髭を整えて、そこから一日がスタート。アスリートが同じルーティンを繰り返すのに近いかもしれません。パフォーマンスを高める為に、良い習慣を作って気持ちをブラさない。

あと、仕事の日は絶対このインナーの白Tシャツを着ます。カットする時に髪のシルエットが見えやすいからで、 同じTシャツ20枚ぐらい持っていて。スティーブ・ジョブスみたいな感じですね。今日は気分変えてこうしようとか、僕は仕事に持ち込まないようにしています。腕時計も、きっちり時間通りに仕上げて次のお客さんを待たせないための必需品。シャンプーで水がかかることが多いので、防水でタフなG-SHOCKを着けます。 極端で癖が強いって思われるかもしれませんが、ミリ単位にこだわる仕事なので迷いやブレを無くしたい。その為に身だしなみには人一倍気を使っています。

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My Rules 3
後進の教育に力を入れる
僕の持論なんですけど、ブランドを作って流行らせることは本気でやれば誰でもできる。それを続けていくのが難しいわけです。MR.BROTHERS CUT CLUBで言うと10年やらせてもらってるんですけど、ここから20年30年とずっと続くブランドにするにはどうしたらいいのか。絶対に必要になってくるのが教育だと思ってます。それも業界全体を見渡した教育。こういうカットができる人間を増やしていくこと、憧れさせること、そして自分もやりたいってやつをどんどん増やしていくこと。これができなかったら、業界は衰退していくと思います。

なんで過去ヘアサロン業界に有名店が生まれたのか。それは教材を広めた人がいたんですよ。聞いたことあると思うんですけど、それがあのヴィダル・サスーンです。僕らは理容業界でそういう存在になりたいと思っています。だからオリジナルで教科書を作っていて、そこにはお店の技術を全て詰め込んでいます。
業界では今までこういう教材がなかったから、ありがたいことに高い評価をもらっています。エデュケーションで世界一を取りたいんです。教科書の英語バージョンを作るなど、アカデミー活動にも力を入れていて今はガーナにも学校があります。
こうやって育成の活動ばかりしていると、シェフの友達によく言われるんですよ。なんで外に技術を教えるの? って。料理で言ったら秘伝のレシピを公開してるようなものだから不思議に思うんでしょうね。でも業界全体が盛り上がる方が重要だと考えてます。ライバルが増えても関係ないですね。自分たちがもっと頑張れば良いだけですから。本当に教育っていうのは自分の中で一番誇れる動きだと思ってます。
My Rules 4
仕事仲間は家族のように接する
仕事っていうのは仲間ありきなんですよね。従業員とか部下って言葉もあんまり使いたくないぐらいで、本当に仲間であり家族。よく言われることですけど、家族よりも一緒に居ますから。会社の規模が大きくなった分、会議も増えて現場にいる時間が短くなって来ましたが、今でも休みの日にはプライベートでも遊びますね。友達の延長みたいなテンションでもあります。

ただ、礼儀とかには結構厳しいですよ。怒る時は愛を持って思いっきり怒ります。今の時代、職場で怒るのって世間一般では難しいのかもしれません。でも理容師という職業はサービス業の中でも、特に距離が近くて相手に直接触れることになります。絶対に接客の教育をぬるくするわけにはいかないんです。人間として当たり前のことは真っ直ぐ伝えます。
仲間内での肩書きとか、あいつが何番手でとか、そういうのも好きじゃないんですよ。全く興味ないし、この世で一番意味ないと思ってるぐらい。真剣に仕事に取り組むことと、和気あいあいと仲良く楽しくすることって、メリハリつければ両立できると思うんです。

僕は中途半端な気持ちで接してませんからね。ずっと一緒に遊んでる仲間よりも、ずっと一緒に仕事してる仲間の方が絆は深いんじゃないかなって。ありきたりだし照れ臭いですけど、本当に大切なこと。なんでも話せる関係でいられると、若い子達から学ばされることも多いんですよね。きっとそれが、自分やお店の成長にも繋がっています。
My Rules 5
バーバーをカルチャーとして盛り上げる
僕らは積極的に外に出てイベントを主催しています。それは業界に還元したいって想いがあるからなんです。例えばバーバーバトルは、地方各地にあるバーバーをもっとフックアップする為。バーバレラっていう女の子だけの大会も主催しています。アメ車、洋服、音楽、タトゥーとか、様々なカルチャーをミックスしたHouse of Sevenってイベントにも携わっていたり。
MR.BROTHERS CUT CLUBがここまで来られたのも、バーバーにまつわる周辺のアメリカンカルチャーと共に成長させてもらったおかげなんですよね。いろんなかっこいい文化を教えてもらったし、それに対しての恩返し。1人勝ちなんかしようとしてなくて、みんなの見せ場を作って一緒に盛り上げていきたい。それこそ、常にストリートカルチャーと寄り添ってきたG-SHOCKのような存在を目指しています。
ただ、ここに辿り着くまでに大変な時期もありました。最初の頃は新しい挑戦をする度に散々叩かれたし、何をやっても、また金儲けしてるんだろなんて言われたこともあります。それでも諦めませんでした。すると、どうやらこいつ本気で業界を変えようとしているんだと、熱意が伝わったんだと思います。周りの為に行動を続けていると、いつの間にか自分に返ってくるんですよね。
まるで10年間を全力で走り続けることができた感謝の想いを込めて、MR.BROTHERS CUT CLUBの10周年を記念したパーティーを4月25日に開催することになりました。フライヤーのクレジットを見てもらえるとわかるんですが、ヒップホップにレゲエ、ロックとウチのお客さんでもある豪華なアーティストたちが勢揃いで、お祝いを兼ねてライブに出演してくれます。

フライヤーのデザインはEVISEN SKATEBOARDSでアートディレクターを担当するFOODEATERに担当してもらいましたが、音楽だけでなくスケートボードなど幅広いフィールドの友人たちが関わってくれています。
また、リレーションのあるさまざまなブランドさんとのコラボアイテムのリリースも予定していて、G-SHOCKさんとも時計を制作しました。



僕らが携わってきたバーバーをはじめとしたさまざまなカルチャーが交差するイベントになっています。お店の合言葉、「いらっしゃいませ、いってらっしゃい」の精神で皆様をお迎えするので楽しみにしていてください。