オカモトレイジが語る、音楽とファッション、G-SHOCKの話

ミュージシャンとしての活動に留まらず、その独特の感性からファッションシーンにおいても常に注目を集めるオカモトレイジ。鋭い審美眼を持つ彼に昨今の音楽やファッションについての話、そしてG-SHOCKに持つイメージや最新作となる次世代モデルのリコメンドももらった。
▼オカモトレイジとは!?
1991年生まれ、東京都出身。ロックバンド・OKAMOTO'Sのドラマーであり、DJとしても活動中。2022年秋には本格演技初挑戦として映画にも出演。さらにファッションモデルとしての活動や、『YAGI EXHIBITION』の主催も務めるなど、ジャンルレスな活躍で現代のカルチャーシーンから注目を集める。
Contents
Topic 1
好奇心を拡張させればより音楽が楽しくなる
Topic 2
年代をまたぐファッショントレンドの周期新作
Topic 3
レイジが見つけたG-SHOCKのいいところ
Topic 4
最先端の次世代モデルをレビュー
Topic 1
好奇心を拡張させればより音楽が楽しくなる
ーーレイジさんといえば、OKAMOTO'Sはもちろんですが、個人でも幅広く活動されていますよね。DJとしても様々なジャンルでプレイしている印象があります。
オカモトレイジ:いろんな現場に呼んでいただくので、適材適所でハウスやテクノもやるし、ヒップホップもかけるし、イベントによってバラバラですね。客層を見て変える感じです。フジロックでDJした時とか、ロックかけても全然だったのに、J-POPかけたらめっちゃ盛り上がったり、結局みんなこういうの好きなんじゃんって。
ーー確かに、最近のレイジさんはJ-POPを上手くミックスしているイメージです。
オカモトレイジ:日本に生まれ育ってるから、J-POPは大事にした方がいいと思うんです。逆も然りで、インバウンド相手にもJ-POPが刺さることもあって。俺らにとっては当たり前のものでも、海外から見たら、メイドインジャパンってイケてるって認識されてることが結構あるんだなって最近すごく思いますね。

ーーもともとは、ズットズレテルズであったり、10代からかなりオルタナティブな音楽もやって来たわけじゃないですか。昔からJ-POPも聞いていたんですか?
オカモトレイジ:いや当時は聞いてないですね。すごくひねくれてるっていうか王道で皆が聞いてるようなのは好きじゃないから、J-POPとか後追いなんです。だから大人になってDJでかけるようになって初めて聞いたぐらい。自分がメジャーでデビューしていろんな人のステージを見て、有名な人や長く続けてる人がかっこいいというのが分かってきて、だんだん好きになっていきました。
ーー主宰されている合同エキシビションのYAGIにも、ジャンルや世代を問わずさまざまなアーティストが参加していますよね。なんでも分け隔てなく見てきたからこそ、カルチャーに精通しているんだなと思いました。
オカモトレイジ:俺は幸せなことに本物の先輩や仲間に囲まれているんで、自分がカルチャーに詳しいって思ったことはないんです。ただ、基本的に、いろんなものを好きになってみたいなと思っています。好奇心をどんどん自分で拡張していっている感じですね。
ーーご自身の活動の中で拡張しながら変化していった部分はありますか?
オカモトレイジ:それこそ、興味のなかったことを深掘りしたくなることが、どんどん増えていってますね。K-POPにハマったり、キックボクシングを始めたり、フットサルやってみたりとか。 最近はビジュアル系にめちゃめちゃハマってて。 そういう今まで全く興味なかったことを吸収してアップデートされまくってる感じはあります。
ーーそのアップデートが音楽活動に影響しているのでしょうか?
オカモトレイジ:ボクシングを始めてから体が変化したことで、ドラムはかなり変わりました。けど、色んなことに挑戦して楽しいと思っても根本の部分ではそんなに影響されてなくて……。むしろ逆かもしれないですね。 バンドが芯にあるから、いろんな活動ではみ出せるっていうか。 変わらない、戻る場所がある。だから、どう見られていてもどうでもいい。そう思えるタフさが身についた気がします。
Topic 2
年代をまたぐファッショントレンドの周期
ーーレイジさんは個性的なファッションでも注目を集めていますが、現在のスタイルはどのように生まれたのでしょうか?
オカモトレイジ:多分、興味がないからこうなっているんだと思います。俺は本当に昔からずっとファッションに興味がなかったし、今もそんなにない。ただ、人と一緒なのが嫌なんですよね。だから誰もやってないことをやっている感じです。とにかくふざけてるいるだけなので、よくファッションの取材を受ける時も「俺なんかで大丈夫かな? 不思議だな」って思ってます(笑)。
ーーレイジさんを見ていると、ロックスタイルみたいな固定概念に囚われていないところがかっこいいなと思います。そんな自由な遊び心の中でも、大切にしているマイルールみたいなものはありますか?
オカモトレイジ: ある意味、ポリシーがないからこうなってるんだと思います。これやったらダメ、あれはダメとかは全くないですね。ただ、ふざけるにしても冷やかしにはなりたくない。 本物の人がどれだけ本気でやってるか知ってるので。例えばゴールドのチェーンを買うにしても、ちゃんとASAP Rockyとかも通ってるNYのPopular Jewelryで買ったり、ロリータ取り入れるにしてもBABY, THE STARS SHINE BRIGHTで買ったり。そういう感覚は大事にしてます。 他のジャンルに関しても、めちゃめちゃど真ん中のを選んでいて、そういうスワッグって俺はやっぱあると思うんです。

ーーそれぞれのカルチャーへのリスペクトがちゃんとあるからこそ、界隈のリアルな人たちと繋がれるんでしょうね。
オカモトレイジ:俺の1個の才能として、師匠を見つけるのが上手いんですよ。 ハードコアに興味を持ったら、そのシーンで昔から活動している人と仲良くなれる機会があったり、K-POPにハマったら本当に詳しい女子大生の友達ができたり、今なんか元バンギャのお姉さんの先輩がめっちゃコアな情報を教えてくれたりするんですよ。ヨーヨーにハマるにしても、世界レベルの人たちが教えてくれていて。 こればっかりは、誰でもできるかっていったらそうじゃないと思うので、自分の特殊能力だなって思います。
ーーそういった様々なシーンの現場に足を運ばれるレイジさんですが、最近のファッションのムードやトレンドはどのように見ていますか?
オカモトレイジ:やはりひたすら90sとY2Kですかね……。というより、もはや90年代も00年代も区別付いてない子がめっちゃ多い気がします。DJの子と話してても音楽の年代が区別付いてない子多くてびっくりします。この感じがずっと長いのって、貧困もあると思うんですよ。だから、経済が良くならない限りめちゃめちゃかっこつけるファッションとかは、今後そんなに流行らない気がするんですよね。 それよりも、若い子たちが安く買えて工夫次第でオシャレできるっていう方が時代に馴染むんだと思います。
ーー若者がレギュラー古着を着ていたり、2000年前後のファッションが根強く人気な理由として、すごく納得感があります。では、次のブームはどう予測しますか?
オカモトレイジ:これからはポストY2Kみたいな感じで、2010年代に突入していくんじゃないかなって思います。時代を括る時に、例えば80年代って言ったら、80~89年までじゃないですか。俺はそれが間違ってると思うんですよ。
ーーといいますと?
オカモトレイジ:80年代って多分75年から85年までの空気感。85年から95年の方が90年代の雰囲気っていうか、その跨ぎのムードは絶対ある気がします。だって91年と99年は全く違うわけだからじゃないですか。だから、今みんなが言っているY2Kみたいなのは多分、96年から05年ぐらいまでの話をしてて。 これから2010年跨ぎのディケイド(10年)になっていくと思います。
ーー面白い分析ですね。ということは、次は2005~2015年に流行った物が来るということになるんでしょうか?
オカモトレイジ:実際に最近流行ってきているんですよね。 ギャル男の子たちがパラパラ踊ったり、2010年代ぐらいの筋盛りとかMen's egg的な世界観が普通にかっこいいっていうムード。 あと自分がV系にハマってて、ヴィジュアル系がすごい来そうな気がしています。俺がハマるファッションって始めは受け入れられていないけど、必ず何年か後に流行ってきたんですよね。ここ15年間は大体そうなってるし、これは自分だけが分かっていることなんでめちゃめちゃ自信があります。
Topic 3
レイジが見つけたG-SHOCKのいいところ
ーーG-SHOCKが日本で爆発的なブームになったのは90年代ですが、レイジさんは91年生まれですよね。初めてこの時計ブランドを知ったのはいつぐらいですか?
オカモトレイジ:学生時代のわりかし早い段階から、G-SHOCKかっこいいなって思ってましたね。BABY-Gとかも流行っていたイメージがあります。当たり前に日本人の腕元にある存在として認識してました。やっぱりG-SHOCKといえば、この三つ目のモデルが自分は馴染み深いです。いつの時代に見ても魅力的だなと。

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ーー6900は1995年に出たモデルで、今年30周年なのを記念したモデルも発売されています。その他にも、何か記憶に残っているG-SHOCKのエピソードってありますか?
オカモトレイジ:昔、アイスホッケーの選手がスティックでG-SHOCKを思いっきりシュートするCMがあったじゃないですか。それでも壊れないで動いてますってやつ。アメリカで放送されたものらしいので、俺は後にネットの情報で知ったんだと思うんですけど、あの映像の印象が強いですね。時計でこんなに頑丈なことってあるんだって。当時はそのタフネスが新鮮だったのに、今では普遍的なアイテムになってますよね。

ーーあのCMがアメリカでG-SHOCKが人気を得たきっかけと言われているんですよ。そこからスケーターやBMXライダーなどタフネスを求める人たちを通して、ストリートファッションに浸透していきました。
オカモトレイジ:本当にG-SHOCKってカルチャーと密接ですよね。その頃のモデルは今もリリースされているんですか?
ーーCMで使われているのはDW-5200Cというモデルで、その前身モデルでオリジンと呼ばれる初代G-SHOCKのDW-5000Cが1983年にリリースされました。本日お持ちしたこちらは、当時のものを忠実に再現した復刻モデルのDW-5000Rです。

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オカモトレイジ:1983年に出来たデザインなのに古臭く感じないところが不思議だな。スマートウォッチとかって確かに便利だけど、着こなしを選ぶじゃないですか。例えば、すごいバチバチに全身B-BOYスタイルでキメてるのに、時計だけ最新のスマートウォッチだったら、がっかりするっていうか。俺はそのギャップも好きですけどね……。でもG-SHOCKだとそうはならないですよね。それは例えば古着でも同じだし、カルチャーを台無しにしない。本当に定番だから、どんなファッションにもハマる物って他にないかなって思います。
ーーオリジンは1983年、三つ目は1995年に出たモデルなので、レイジさんのお話で言う、90年代跨ぎ、00年代を跨いだムードとして、現代でも再燃していると考えると、しっくり来ますね。
オカモトレイジ:となると、次に流行しそうだなと思っていた世代の2005年~2015年辺りのG-SHOCKってどんなモデルがあるんですか?
ーー少し後にはなりますが、2019年に2100というモデルが出ました。アナログ仕様のデザインで、こちらも初代G-SHOCKカラーを採用したモデルが出ています。

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オカモトレイジ:新しい世代のモデルでもどこかG-SHOCKはオリジナルの雰囲気がありますよね。機能性はアップデートされてるんでしょうけど、良い意味でアップデートされてない感と言うか。 変わらない良さ。そういった何かが、最初に完成した瞬間に出来上がってたんでしょうね。
Topic 4
最先端の次世代モデルをレビュー
ーー次世代G-SHOCKとして新たに発表されたGA-V01をお持ちしました。ガラッとイメージが変わっているかと思うのですが、まずは率直な感想として、いかがですか?
オカモトレイジ:すごいですね。普通にデザインが可愛い。顔みたいにも見えるし、レンジャーヒーローの変身ベルトっぽくもある。今日のパーカスタイルも、これ1本着けるだけでインパクトが強まるし、ユニークなスタイリングに仕上がりますね。

ーーレイジさんも似合ってますが、女の子が着けていても可愛いですよね。
オカモトレイジ:最近のファッションはユニセックスな傾向にあるし、かなりポップだけど男女どっちが着けても全然マッチしそう。あと、時計ってアクセサリーの要素も強いから、手首じゃないところにどうやって着けようかなって思いました。ネックレスみたいに首回りに着けても面白いかも(笑)。

ーーZ世代をターゲットにしたモデルで、まさに今日の話に出てきたY2Kのスタイルにもマッチするようなデザインなのかなと。
オカモトレイジ:ビッグシルエットなのもトレンド感あるし、すごくインパクトがありますよね。このギザギザの歯みたいなデザインとか、針の形にも機能的な意味があったりするんですか?

ーー画面が割れないように衝撃をガードする効果があります。遊び心だけでなく、G-SHOCKの堅牢性であったりタフな機能性もしっかり搭載されているんですよ。針の先端を大きくするのも実は難しくて、マグネットを使った新技術を取り入れています。
オカモトレイジ:新旧のデザインと機能が搭載されているんですね。全然見た目は違うけど、昔ながらのDNAを引き継いだ高い機能性があるっていうストーリーも面白いです。 そういう難しい事は分からなくても着けていて目立つし、単純に楽しいから良いなとも思います。もう確実に「何それ?」ってコミュニケーションが生まれるのも魅力ですよね。

ーーファッションアイテムとしてのG-SHOCKの新しい楽しみ方を体感できるモデルになっているかと思います。
オカモトレイジ:G-SHOCKを知らない人って会ったことがないけど、これを見たら「それG-SHOCKなんだ!?」って絶対なるじゃないですか。そういった意味で前振りが効いてるから、その手があったのかってビックリさせるような変な付け方をしてブチかましたいですね。本当にいろんな遊び方ができるモデルだと思うんで、これをどうやって着けて出かけようか、考えるだけですごく楽しみです。
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