シソンヌ長谷川と巡る、 “G-SHOCKと過ごした90年代と今”

90年代は裏原カルチャーに夢中だった静岡の高校生。芸人という生き方を選んだが、ファッションの道も考えた程の服好きだ。20歳で手にしたG‑SHOCKは、寝るときも風呂でも外さなかった。当時の憧れはいまでも色褪せず、“旧車みたいな存在”だと言う。クラシックでタフ、それがずっとかっこいい。

Contents
Topic 1
東京に憧憬を抱く静岡の青春時代
Topic 2
寝る時も身に着けた初めてのフロッグマン
Topic 3
大人になったからこそ分かるG‑SHOCKの魅力
Topic 4
忍流! カッコいいストリート大人の条件
Topic 1
東京に憧憬を抱く静岡の青春時代
ーー長谷川さんはすごくおしゃれな芸人さんというイメージがありますが、ファッションに目覚めたのはいつ頃でしたか?
長谷川:小学校の4年生くらいですね。母親が買ってきたちょっとデザイン性のあるミッキーのトレーナーを着て学校に行った日があって。その日は妙に女の子たちから「かわいいね」って声をかけられたんですよ。あ、これだなと(笑)。
ーーなるほど。ピュアな初期衝動ですね。
長谷川:もう完全にモテたい気持ちが原点です。オシャレだったら、いろいろごまかせるんじゃないかって。服の力ってすごいなって思ったのを今でも覚えてます。
ーー地元の静岡で過ごした学生時代はどんなカルチャーに影響を受けていましたか?
長谷川:中学から雑誌を読み始めて、いろんなジャンルに触れるようになりました。雑誌を通じて、とにかく東京のカルチャーを必死に吸収していましたね。最初はメンズノンノで見たポール・スミスのTシャツを着たり。地元の静岡から名古屋まで買いに行ってたなぁ。

ーーストリートオンリーのイメージがあったので少し意外でした。
長谷川:当時、フェミ男ブームっていうのがあって、実は僕もバッチリ通ってるんですよ。武田真治さんがピタTにフレアパンツみたいなスタイルで、いしだ壱成さんも大好きだったんです。でも途中で、この体型じゃ無理だな……って気づいちゃって。
ーー長谷川さんのストリートスタイルの品の良さって、きっとそういった部分から来てるんでしょうね。
長谷川:今でもちょっとモードっぽいのは好きなんです。まぁそんな流れで特に原宿系のストリートカルチャーに憧れるようになりました。スニーカーも、最初に買ってもらったコンバースきっかけでバッシュにハマっていって。中学でブッダブランドを聴いて、HIPHOPにもハマっていきました。でもパンクもメロコアもスケートも、全部通ってましたね。僕の中で、それぞれのカルチャーに優劣はなかったというか、“全部かっこいい”って思ってたんですよ。
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Topic 2
寝る時も身に着けた初めてのフロッグマン
ーーG‑SHOCKとの出会いはいつ頃ですか?
長谷川:高校生の頃に雑誌で見たイルクジのスケルトンが新鮮で。でも、手の届かない憧れの存在って感じ。当時プレミアついてて、古着屋で限定モデルを見ながら「おお、本物だ……」って眺めてましたよ。

ーー1990年代後半頃ですね。
長谷川:あの時は高校生でずっと雑誌ばっかり見てました。データバンクも流行っていて、どちらにするか迷った末、僕が最初に買ってもらったのは定番のDW-5600だったと思います。ショーツにG‑SHOCKでDCシューズ履いてっていうメロコア、スケーターのファッションをしてましたね。

ーー特に思い入れのあるモデルとかってありますか?
長谷川:20歳の時に買ったフロッグマンですね。プレミアが落ち着き始めた頃にようやく定価で買えた念願のモデル。大きめのゴツいフォルムも自分に合ってて、お気に入りでしたね。そこからずっと着けっぱなし。これ比喩じゃなくて、5~6年は寝る時も、風呂でも外さなかったんです。
ーーすごくG‑SHOCK愛を感じます。
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長谷川:本当に嬉しかったんですよ。夏は汗で臭くなってくるんで、洗剤でゴシゴシ洗ってました(笑)。他の時計だったら絶対に壊れちゃいますけど、G‑SHOCKがタフだからこそできることですよね。時計を着ける習慣がついたのもG‑SHOCKがきっかけです。時計を着けるのが面倒って人もいますが、僕にとっては眼鏡と一緒で、もう腕元に何かがないと気持ち悪い。まさに相棒ですよ。
Topic 3
大人になったからこそ分かるG‑SHOCKの魅力
ーー今でもG‑SHOCKは使ってますか?
長谷川:もちろん。ラバーバンドのあの感触がふと恋しくなるんですよ。時計って今の自分を見せるものだけど、G‑SHOCKは昔の自分につながってる感じがあって。高級時計を持っていても、ふと、こっちが無性に着けたくなる日もあるんですよね。

ーー今日は最近のモデルも色々着けていただいていますが、こちらがDW-5600RL-1。初代G-SHOCKのカラーを忠実に再現したモデルになります。

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長谷川:やっぱりこれですよね! このシルエット。完全カラー復刻ってのがいいですよね。あの頃の空気感を残しながら、今の時代にもちゃんとフィットしてる。高校時代、雑誌で見てたあの感じが蘇りました。
ーーフルメタルモデルGMW-B5000D-1はどうですか?

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長谷川:めちゃくちゃ良いです。大人が着けるG‑SHOCKって感じ。クラシックなスクエアフェイスだからストリートにもばっちりハマる。初号機の面影もあって、グッとくる人多いんじゃないですか。芸人たちの間でもこのモデルが流行ってて、特にゴールドが人気の印象があります。
ーーフルメタルの最新モデルGM-B2100SD-1Cもお似合いですね。

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長谷川:これも大人が着けやすいですよね。フォーマルでもストリートでもいける。デジタルのイメージが強いG-SHOCKだからこそアナログがカッコよく見えるというか。学生時代に友達がG-SHOCKの最初のアナログモデル(AW-500)を持ってて、いいなぁって憧れたのを覚えてます。他にも当時欲しくて買えなかったモデルをいろいろ思い出しちゃいました。僕の周りだけかな? ガンダムって呼ばれてたこれとか。懐かしいなぁ。もう今日の帰り道に絶対ネットで探しちゃいますよ。

ーー今だから分かるG‑SHOCKの魅力を一言で言うと?
長谷川:“普通なのに、かっこいい”。これに尽きますね。奇抜じゃないけど、洗練されててちゃんと主張がある。時代が変わっても基本的なデザインは変えないところが良いと思います。例えば、クラシックカーってかっこいいけど、古いものは壊れちゃうじゃないですか。でもG‑SHOCKなら、中身は最先端で、外見はクラシックっていうのが実現できる。それが最高です。だから何年経っても色褪せないんでしょうね。
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Topic 4
忍流! カッコいいストリート大人の条件
ーー年齢を重ねるとシンプルになっていく人が多い中、長谷川さんはファッションに上手くストリート要素を残してますよね。
長谷川:大人だからって無地のTシャツに落ち着く気はないですね。今でも断然グラフィックTシャツが好きです。やっぱりテンションが上がる服を着ていたい。それが自分の“スイッチ”みたいなものになってるんで。妻からは「もう無地にしたら?」と言われますが(笑)。スケートブランドだったり、グラフィックTで育って来た世代なので、今でもそこは変わりません。

ーーそういう姿勢は自然とファッションの着こなしにも表れるものだと思います。
長谷川:ファッションって背景があるじゃないですか。バンドのロゴでも、そのバンドを知ってるかどうかで全然違う。この前、みちょぱがシュプリームのコラボを着てたから熱く語ったら「もういい、もういい。可愛いから着てるだけだから」って言われちゃって(笑)。ただ、若い子にうるさいおじさんって言われても、それでも“分かってて着てる”っていう自負はあるんですよ。
ーー昔からずっと好きなものの愛情を語れるのは素敵なことだと思います。
長谷川:大人になって、やっと好きなものは好きだと言えるようになったんです。若い頃は「これお前が着るの?」なんて思われるのが嫌で、我慢することもありました。でも今は素直に好きなものを表現できるようになりました。人に何を言われても、自分がかっこいいと思うもの着たいじゃないですか。自信を持って、昔の憧れやワクワクを大事にしたい。それこそG-SHOCKは自分のルーツのひとつであり、ファッションの初期衝動が蘇る、そんな存在です。

ーー是非これからもG‑SHOCKの魅力を伝えていってください。
長谷川:よく芸人仲間にもあげますし、チョコプラの松尾にはキングオブコント優勝したときにお祝いで、10万円くらいのちょっと良いG‑SHOCKをプレゼントしました。今でも着けてくれてるみたいで、嬉しいですね。あと、いつか子どもにも渡したいんですよ。そのときは「これはただの時計じゃないよ」って、背景にあるカルチャーもちゃんと伝えたいと思ってます。東京生まれ特有の、なんてことないスタイルなのに、なんだか洒落てる雰囲気ってあるじゃないですか。あれに、ず~っと僕は憧れてたんでね。自分の子供には、さらっとカッコよくG‑SHOCKを着けられる人になって欲しいですね。英才教育します!
