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STASHが語る、SUBWAREと原宿、G-SHOCKの話!

グラフィティライターのSTASH“スタッシュ”がスプレー缶(中身はルームスプレー)片手に来日! G-SHOCKとも関わりの深いこのストリートのキーマンに、今回の旅の目的や待望の復活を遂げて話題のSUBWARE “サブウェア”、原宿についての話を尋ねた。もちろん、かなりのG-SHOCK通としても知られる彼ならではの時計愛についても語ってくれた!

STASH来日。その理由は?

ーーまずは今回の来日の目的から教えてください!

スタッシュ(以下S):本のローンチで東京へ来ました。

ーー『SUBBLUEMINAL』ですね。まだ見ていない人のために少しだけ内容を教えていただけますか。

※ STASHと交流のあるNEIGHBORHOOD、Hombre Nino、G-SHOCKに加え、ヴィンテージウェアストアのPRESSURE、blue roomのサポートにより、ブックローンチイベントが開催された。

S:僕の歴史のすべてが詰まった、STASHについての本です。グラフィティライターとしてキャリアがはじまって、アートも作って、洋服も作って、さまざまなブランドとコラボレートで作品を作って、そういった歴史やアーカイブがおさまっています。

ーーグラフィティのキャリアに関する記述はかなり気になります。日本ではグラフィティのカルチャーが若い方達にも受け継がれ、今も街で活発に増殖し続けています。ご存知でしたか?

S:当然ですよ! そもそも自分たちの世代が始めたことですからね(笑)。僕らの世代があなたたちにあげたプレゼントです。西洋で始まったカルチャーが世界中に飛び火しちゃったって意味では迷惑をかけちゃって申し訳ないとも思っています(笑)。スイマセン、ゴメンナサイ!!!!

ーー若い世代との交流はあるんですか?

S:今は僕らの世代が君たちのような新しい世代の表現から学ぶ番だと思っています。きっと今のNYのグラフィティ界は第2か第3世代くらいなはずだけど、彼らが何をするか僕は楽しみにしているし、彼らの世界に僕はすでに入り込んで見ていますよ。

ーーこの本にはSTASHさんが手がけられていたSUBWAREに関する写真や資料も掲載されています。このブランドは、90年代のストリートカルチャーを代表する人気ブランドとして今でも根強いファンが多いですよね。

S:ありがとう!

ーー最近、そんなSUBWAREが復活したと聞きました。待ち望んでいた人も多いと思いますが、このタイミングでの復活に何か理由はありますか?

S:とてもいい質問ですね! 今ちょうど隣に座っているトーマスが、現在のSUBWAREを一緒に手がけてるパートナーです。彼と僕でこれまでのキャリアや歴史、アーカイブを見返しているうちに復活のアイディアが出てきたんです。「まさに今しかない」って思えるタイミングでした。その理由は2つあります。

ーーその2つの理由が気になりますが、その前にトーマスさんとはどういった経緯で出会ったんですか?

S:2018年に僕がG-SHOCKとのコラボモデルでローンチパーティをした時、イベント会場で初めて出会いました。彼は今27歳、オレの子供みたいな年齢ですよ(笑)。

ーー親子ほど歳の離れた2人ですが、トーマスのどういったところにシンパシーを感じましたか?

S:その会場にはたくさん人がいましたが、トーマスはオールドソウルを持ちながら今の知識もあって、その振り幅の広さに驚いたんです。他の同世代の子らとは何か違うなって。彼とはその時から一緒に仕事をするようなりました。

SUBWARE復活に込めた思い!

ーーなるほど。それでは、SUBWARE復活の2つの理由を教えてもらえますか。

S:1つ目はノスタルジア。過去のことを振り返っていたら、再び動かすのに今がいい時だと思いました。僕が最初にブランドを始めた頃と共通する時代の流れみたいなものを感じたんです。

ーー今の日本では、90年代の原宿のアイテムが“アーカイブ”として再注目されているそうです。例えば、都内某所の古着屋には、当時の裏原アイテムが並んでいて、多くの外国人観光客が購入していく! なんていう話題をTikTokで目にしました。ご存知でしたか?

S:もちろんさ! 僕らは服自体が好きだから、デザイナーという立場と消費者という立場、どちらの視点でもファッションをチェックしたり情報収集していますから。

ーー2つ目の理由はなんですか?

S:それは教育です。シーンに対して、過去にこういったものがあったと提示することに意味があると思っています。

ーーストリートブランドのアイテムは、単なるデザインだけではなく、背景に深い意味やメッセージが込められているものが多いですもんね。

S:そうなんです。だけど、ただ単に古いノスタルジーなものではなく、それをベースに新たなアイディアが入ったものが求められているように感じています。

ーーなるほど。

S:だから過去のアーカイブを僕が持ってきて、それにトーマスが現代のトレンドや表現を足していく。そうやって現在のSUBWAREは誕生しています。

ーー“ノスタルジー”という言葉がありましたが、STASHさんが90年代に足を踏み入れた原宿という場所は、現在大きく様変わりしました。新しい原宿を見て、どう思われましたか?

S:変化は素晴らしいことです。さっきもトーマスと一緒に原宿を歩いていて、僕は昔の原宿も覚えているから「あのブランドのショップは昔この場所にあったんだよ!」なんて説明してました。

ーー原宿の街並みが変わる一方、90年代にSTASHさんたちと活躍されたクリエイターの方達は、今も第一線で活躍されている方が多いです。コンタクトを取られている方はいますか?

S:もちろん今でも連絡をとっていますよ。昨日、NEIGHBORHOODのチームに誘われてディナーをしたんですが、そこで古くからの友達にたくさん会うことができました。

ーーそういった旧友たちからクリエイティビティの刺激を受けていますか?

S:感覚的には同じ壺の中で育ったみたいなものなので、影響を受けて当然だと思っています。彼らが未だに続けていること自体に刺激を受けるし、僕も与えていると思う。

STASHが見たG-SHOCKの90年代

ーーG-SHOCKは90年代にアメリカで人気となり、逆輸入という形で日本でもブームとなりました。特にあのアイスホッケーのCMで多くの方に認知されるようになったと思います。その当時のアメリカでは、G-SHOCKの立ち位置やイメージはどういった感じでしたか?

S:僕がカシオと最初に出会ったのは、計算機つき時計の時代からなんですよ。

ーーそれはかなり早いですね!

S:そんなカシオが出していたG-SHOCKには、当時からかなり魅了されていたのを覚えています。その頃からマニアというかファンなんです。それからG-SHOCKの世界観がどんどんと広がっていって、何か新しい動きがある度にワクワクしていました。

ーーそれは光栄です!

S:僕がラッキーだったのは、当時SUBWAREをやっていた関係で、日本を含めて世界中を旅することができたこと。その過程で新作のG-SHOCKをいち早く目にすることができたんです。

ーー今はネットで簡単に手に入りますが、90年代はG-SHOCKに限らず、欲しいものを入手するのが一苦労でしたよね。

S:そう。僕の記憶だと、当時の日本で新製品が数多く揃っているのがストーミーでした。東京に来るとまずそこへ行って、娘にはBaby Gを、自分用にFROGMANを買っていましたね。

ーーそんなにファンでいてくださって嬉しいです!

S:あの頃は僕だけが特別なわけではなくて、世の中全体がスニーカーブームと同じくらいにG-SHOCKに夢中でしたからね。

G-SHOCKとのリレーション

ーーSTASHさんとG-SHOCKのエピソードといえば、2018年にコラボアイテムをリリースしたことだと思います。

S:僕の中であのコラボレーションは誇りです。誘ってもらった時に嬉しくて興奮したのを覚えています。

ーースプレー缶をモチーフにしたボックスに入ってのリリースでしたよね。

S:僕がグラフィティライターだから「パッケージをスプレー缶っぽくして出したい」って提案されてね。カシオは大きな企業であるにもかかわらず、グラフィティライターに寄り添ったアプローチを考えてくれた。そういったアイディアや気配りがすごく嬉しかったんですよ。

ーーグラフィティをアパレルのデザインに落とし込むことは非常に難しいことだと思います。“アート”を日常でも着られる“アイテム”に落とし込む上で気をつけていることはありますか?

S:洋服などのデザインをやる上で、アートとは違ったことを意識的にやっていることはないですね。今これをやらなきゃいけないからデザインする、というものではなく、アートのように思いついた時に自然の流れでアパレルのデザインもしています。だからナチュラルなんです。それゆえ失敗もたくさんありますよ。だけど、失敗は成功へのアクセスなので、それを恐れてはいけません。だから私生活でも失敗しちゃってね……。冗談です(笑)、仕事ではっていう話です。

ーーちなみにこちらのWEBマガジンでは、盟友の一人でもあるヨッピーさんにも出演してもらっています。ヨッピーさんもSTASHさんのモデルをお気に入りアイテムとして紹介されていました。

【関連シリーズはこちら】

S:嬉しいですね! ヨッピーも僕の東京の古い友達のひとり。しかも一緒にジオバーニ(エステベス)のコラボも紹介してますね。僕もこれを持ってるし、確かコラボもので最初に手に入れたモデルだから思い出深い。こういったコラボアイテムはほとんど今でも大切に持っていますよ。

ーーSTASHさんは今もG-SHOCKを愛用してくださってますよね。

S:作業をすると、いろんなとこに手をぶつけちゃうから、これじゃないと無理なんですよね。

ーー最近のお気に入りのモデルを教えてください。

S:このMR-Gです。5年くらい愛用しています。正直にいうと、他ブランドの時計も色々と持っているけど、こいつほど僕の生活に入り込んでいる時計はないですよ。人生の一部っていっても過言じゃないくらいに気に入ってます。

ーーMR-Gのどういったところがお気に入りポイントですか?

S:まず、歴代G-SHOCKのクラシックなデザインは今見ても斬新だし完璧。これはそういったオリジナルの要素を残しつつも、最高峰の職人技と最新テクノロジーが注ぎ込まれている点です。アップデートされて平均性が向上されていることは素晴らしいことだと思います。

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MRG-B1000BA-1AJR

ーー先ほど、SUBWARE復活の理由として「単に古いノスタルジーなものではなく、新しいアイディアを入れて新たな価値を提示したい!」とおっしゃってました。そういった意味ではSUBWAREとG-SHOCKに共鳴する部分がありそうですね。またなにか一緒にチャレンジできれば嬉しいです!今日はありがとうございました。

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