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花井祐介が語る、
サーフィンとアート、G-SHOCKの話!

G-SHOCKから新たに海岸環境の保護活動を行うサーフライダーファウンデーションとのコラボレーションモデルとして廃棄予定プラスチックを再利用したウレタン外装を採用するなど環境負荷軽減を意識したプロダクト『G-5600SRF』がリリース。これを機にカシオのサステナビリティの一環として発売日の6月8日に辻堂海岸のビーチクリーンイベントが開催された。総勢264名が参加した当日の様子とともに、本企画のキービジュアルを手がけた花井祐介のインタビューをお送りする。彼がアートワークに込めた想いとは。

花井祐介とは!?
1978年神奈川県出身のアーティスト。日本の美的感覚とアメリカのレトロなイラストレーションを融合したような独自のスタイルで描くシニカルな作風は国境を越えて多くの人達に支持され様々な国で作品を発表。現在までに様々なブランドへのアートワークの提供など、国内外問わず活躍の場を広げている。

Topic 1
サーフィンとアートワーク

ーーまずは花井さんの制作のスタイルについて教えてください。普段はどんな生活をしているんですか?

花井祐介(以下:花井):朝起きて子どもたちが学校へ行ったら自分もアトリエに向かって、波があったらサーフィンして、波がなかったら絵を描いて、という毎日ですね。

ーーサーフィンとアートというのは花井さんのライフスタイルの一部になっていると思いますが、ご自身にとって、それぞれどんな位置付けですか?

花井:サーフィンは高校生の時に始めたずっと好きなことで、絵も昔のサーフィン雑誌の挿絵を真似して描いたりしていました。60年代のサーフコミックだったり、そういったカルチャーからの影響はもちろん受けています。ただ、そことアートを結び付けているつもりはないんですよね。

ーー自分はサーフアーティストではないというお話はよくされていますよね。

花井:分かりやすくカテゴライズされたくないという気持ちもあります。そもそも自分は芸術界の中に居るというより、その外枠に居るような感覚ですし。好きなものを描いていたら、いつの間にかこういう状況になっていました。

ーーそんな自然なスタンスも花井さんが多くの人を惹きつける魅力だと思っています。今日は、サーファーも、そうでない花井さんのファンも、”海を綺麗にする”という同じ目的で、本当にたくさんの人が集まりました。

花井:海の環境保全は、サーファーや地元民だけの問題ではないんですよね。都会から来られた大人や子どもたちに今日の体験を持ち帰ってもらって、街での生活でもゴミを拾う意識を持ってもらえたらいいなと思います。

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Topic 2
海の環境問題

ーー今回のビーチクリーンについて教えてください。花井さんはこのような取り組みをどれくらい前からどういった目的で行われているんですか?

花井:今日の主催者挨拶で話していたサーフライダーファウンデーションジャパン代表理事の中川さんが日本のサーフライダーファウンデーションを受け継いでからなので、10年近く前から一緒に活動しているんですよ。海岸環境の保護活動を広く呼びかける目的で、今回みたいにグッズを作ったり、ワンハンドビーチクリーン(※)の絵を描いたりしていて、あとは海の環境を壊すホテル建設の反対運動に協力してもらったり。

(※サーフィンを終えた後にボードを片手に抱え、空いたもう片方の手でビーチのごみを拾っていく活動)

マイクを手に握るサーフライダーファウンデーションジャパン代表理事の中川さん

ーーちなみにサーフライダーファウンデーションとはどういった団体なんですか?

花井:もともとはアメリカで始まっていて、サーフィンを愛する人たちが集まって作った海の環境美化団体です。メンバーの中には、学者とか弁護士とか専門的な知識を持った人たちもいて、サーフィンして遊んでるだけじゃなくて、ちゃんと研究しながら活動していて、それが世界中に広がっていったという流れですね。日本でも、藤沢市議会議員の佐賀ワキさんだったり、いろんなメンバーが協力してくれています。

藤沢市議会議員の佐賀ワキさん

ーー今日の取り組みには花井さんのお仲間でもある、BEAMSの加藤忠幸さんやUnlikelyの中田慎介さんも駆けつけてくれましたね。

BEAMSの加藤忠幸さん(写真左)やUnlikelyの中田慎介さん(写真右)

花井:みんな本当にサーフィンや海が大好きですからね。昔からサーファーの間ではビーチクリーンは日常的に行われています。ただ、海にあるゴミって、実は7割から8割が街でポイ捨てされた物が風で飛ばされて、川から海に流れて、砂浜に打ち上げられているわけなので、海の周りでゴミ拾いするだけでは改善できないんです。

ーー確かに、”海のゴミは街から来ている”という問題意識を持って生活している人は、まだまだ少ないかもしれません。

花井:特にプラごみの扱いに気を付けたいですね。海洋マイクロプラスチック(5mm以下のプラスチック破片)が大きな問題になっています。サンゴ礁が呼吸できなくなったり、餌と勘違いして魚が食べて、それを人間も摂取していると言われています。

ーー“私たちは1週間にクレジットカード1枚分のプラスチックを食べている” というニュースを目にしたことはありましたが、これがマイクロプラスチックか! と、今日のゴミ拾いで実感が湧きました。

花井:僕らはよく目にする物だけど、海にあまり来ない人は、砂浜にあんなに細かいプラスチックが落ちてるなんて思わないですよね。ポイ捨てされた空き缶みたいな分かりやすいゴミより、実はもっと深刻な問題があると知ってもらえる良い機会になったと思います。

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Topic 3
アートワークに込めた思い!

ーー今回はキービジュアルに加えて、プロモーションビデオも制作されていますよね。

花井:いつも動画をお願いしているアキバさんが担当してくれました。3D映像の完成度が高くて満足しています。

ーーこの映像のストーリーを見て、自分たち一人一人が反省しなければいけないなと思いました。

花井:内容は見ての通りで、ストレートに分かりやすく作りました。実際にペットボトルを投げつけられることはなくても、結局は自然からしっぺ返しを受けるのは人間なので。

ーー花井さんの描くキャラクターは、笑っていなくて猫背の姿が特徴ですが、今回はいつにも増して悲しそうな表情が印象的でした。情けない自分たちの姿を投影しつつ、このままではいけないよな! と思わせてくれました。

花井:あんまり説教くさくなっても面白くないじゃないですか。頑張ろう! ゴミを拾おう! って強く言われても誰もやらないと思うんです。僕は作品にタイトルをつけることもあまりしないし、メッセージを込める時もありますが、見た人の想像に任せたいんですよね。ただ、同じような仲間がいるんだって思ってもらえればいいなと。

ーー確かに、強制することではないし、自主性がないと本質的な解決にはならないですよね。

花井:そうですね。ルールとマナーの違い、みたいなものかもしれません。ルールは守るもので、マナーは大切にするもの。破ると罰則があるからルールを守るのではなく、人間らしい品格としてマナーを大切にできたら良いですよね。

Topic 4
花井祐介が見た今のG-SHOCK

ーーG-SHOCKに何か思い入れはありますか?

花井:僕らの世代はみんなG-SHOCKを通っていますからね。ちょうど青春時代にブームの真っ只中で、中学生の時にお年玉で買った記憶があります。

ーー最初に買ったモデルって覚えてます?

花井:3つ目モデルの5900でした。その後はずっとスクエアケースのモデルを愛用していましたね。当時は中高生で雑誌のBoonを読んでいて、裏原カルチャーの全盛期でした。

ーーG-SHOCKは最近も使いますか?

花井:今も海で時計を使う時はG-SHOCKですね。実は最近あまり時計をしないんですけど、海に入る時だけ、特に打ち合わせが後にある時は必ずG-SHOCKをつけます。時計をつけてないサーファーから、よく「いま何時?」って聞かれたりするんですよ。約束の時間があるけどギリギリまで海に入っていたい人たちが多くて(笑)。

ーー今回のコラボモデルはいかがですか?

花井:電池交換しなくて良いのがビックリしましたね。嬉しいポイントです。あと、軽くてバンドも柔らかいなと思いました。ウェットスーツの下に付けてても邪魔にならなそうで良いですね。G-SHOCKの製造過程で排出されたプラスチックの廃材を再利用しているから色味や柄が一個一個違うっていうのも面白いと思いました。

ーー花井さん自身もゴミをアート作品に昇華する取り組みをしていますよね。

花井:本当はゴミを出さないっていうのが一番いいんですけどね。結局、プラスチックって便利じゃないですか。だから、なくならない物だけど、無駄に使いすぎない、ゴミにしないっていう課題にどう向き合っていくか。これからも自分にできることは何か考えていきたいです。

 

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