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スノーボーダー戸塚優斗、進化と挑戦の現在地

Yutointerview 2025 KV

スノーボード・ハーフパイプ種目で活躍する戸塚優斗は、これまでに名だたるコンテストを制してきた世界屈指のライダー。2026年に開催されるビッグモーメントでは、出場はもちろんのことメダル獲得も視野に入れていると話す。そんな彼が、スノーボードで結果を出すために大切にしているものとは? オフシーズンを迎えた戸塚へのインタビューを通じて、アスリートとしての強さと23歳の青年らしい素顔を追う。

戸塚優斗profile

競技:スノーボード・ハーフパイプ
生年月日:2001年9月27日(23歳)
出身地:神奈川県
キャリアスタート:2歳

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主な成績:2017『全日本選手権』優勝。2017年および翌18年『ワールドカップ』総合優勝。2020には『Burton U.S. Open』。2021年には『X Games』と2021年『世界選手権』で優勝し『ワールドカップ』では3度目の総合優勝。2025年『The Snow League』優勝、2024/2025シーズン『ワールドカップ』年間ランキング2位など。詳しくは【こちら】

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成長した自分とリフレッシュの時間

ーー前回のインタビューはFIS優勝前のタイミングだったので約2年ぶりになります。なんだか表情や雰囲気が以前にも増して大人っぽくなったような気がします。

戸塚優斗(以下優斗):自覚はなかったんですが、今年の9月で24歳になるので少しずつ大人の顔つきになってきたのかもしれませんね(笑)。

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ーー外見もそうですが、自身の中にもこの2年近くでさまざまな“成長”があったのではないでしょうか?

優斗:そうですね。まず技術的な面での成長だと、前シーズンでなかなか調子を上げられずに苦労した分、今シーズンは自分の滑りを見直すことから始めました。それをきっかけに、苦手意識があったトリックを克服できたのは大きな収穫でした。

ーー技術が向上することで精神面での変化は?

優斗:勝てる道筋がより明確になることで気持ちに余裕が生まれました。あとは相手選手のいい滑りを素直に讃えられるようになったところもちょっとした変化のひとつです。

ーー結果の受け入れ方が変わったんですね。

優斗:それもおそらく自分の滑りが安定したことが一番の理由だと思います。もちろん、負けると悔しい気持ちはずっと変わらずにあります。

ーーハイレベルな戦いを繰り広げるトップアスリートの世界では、思うようにいかずストレスを抱えてしまうこともあるかと思います。モチベーションを保つために心がけていることはありますか?

優斗:オフの期間はリフレッシュのために時間を多く使い、シーズンに入ったらスノーボードだけに集中する。この切り替えがモチベーションを保つためのサイクルになっています。

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ーーちょうどオフシーズンの真っ最中ですが、どんなことでリフレッシュしているのか教えてください。

優斗:一番の気分転換はバイクに乗ることで、友達と山や海までツーリングしに行きます。あとはサバイバルゲームをしたり、好きなアーティストのライブを観たりもしますね。

ーーバイクは前回のインタビューでも触れましたが、今も変わらずBMW S1000RRが愛車ですか?

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優斗:そうです!

ーーその若さで大型バイク、しかもBMWを選ぶというのが少し意外というか。たしか、きっかけは友達からの影響でしたよね?

優斗:高校生のときに、MotoGPを観ている友達から「面白いから観てみなよ」と勧められて。自分もバイクに興味があったのでそこから一気にハマりました。

ーーなるほど。それでレーサータイプのバイクに乗っているわけですね。

優斗:そうなんです。乗り心地も本当に最高だし、僕にとってスノーボード以外で欠かせない存在になっています。

ーーせっかくなので、挙げてもらったサバイバルゲームや好きなアーティストについてもお聞きしたいです。

優斗:サバゲー、マジで楽しいんですよ(笑)。スノーボード仲間たちとフィールドに行くこともあるし、1人で行って初対面の人たちとプレイすることもあります。好きなアーティストはMrs. GREEN APPLE。でも人気があるので、運良くチケットが当選しないと行けないんですよね......。

ーーサバゲーもライブもリフレッシュにちょうど良さそうです。ちなみにオフ期間は、スノーボード関連のトレーニングを一切断つのでしょうか?

優斗:体は常に動かしておきたいので、ジムトレーニングを行う日や近くのクエスト(屋外人工スノーボード施設)で滑る日を設けています。オフ中でも好感触を掴めば自然とテンションが上がるし、次シーズンのモチベーションにも繋がるので。

ーーこれまでの話で、スノーボードと向き合うために時間の使い方を大切にしていることが伝わってきました。ところで、幼い頃からスノーボードを続けていますが、どんなところに魅力を感じていますか?

優斗:ジャンプのスリルや独特の浮遊感、自然を相手に繰り出す一瞬の感性など、スノーボードの魅力はたくさんあります。そのなかで僕が感じてきた一番の魅力は“自由さ”だと思っています。

ーー素敵ですね。では、自由さを感じるのはどんな瞬間でしょうか?

優斗:まだ誰もいない朝一の雪山を、リフトで上がって1本目を滑るときです。まるで真っ白な紙の上に好きな絵を描いていくような快感を覚えます。

ーーたしかにそれは技術の優劣とは関係ない、誰とでも共有できるスノーボードの魅力なのかもしれません。

優斗:プロ選手のように上手く滑れるようになれば、その分楽しみは増えていきます。でも上手くなければ楽しめないのかというとそうではありませんから。

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ーー優斗さんもそうだったように、今は幼少期からスノーボードに興味を持ち、“スーパーキッズ”と呼ばれるほどの実力をつける子供たちが日本に数多くいます。今後さらにスノーボードに興味を持ってもらうためにはどんなことが必要だと思いますか?

優斗:自分を含めて、日本人選手が世界で活躍する姿を観てもらうことが一番の手段だと思っています。残念なことに、どんなに大きな大会でもメジャースポーツに比べるとリアルタイムで観られる機会が圧倒的に少ないのがスノーボードの現状で。だからこそ、僕たち世代が今以上に活躍して話題になっていくことで、この状況を変えていかなきゃいけないんだと思っています。

ーースノーボードシーンを支えるトッププロの1人として、今後を担っていく若手たちにアドバイスするとしたらどんな言葉をかけますか?

優斗:自分はこうなりたいと思えるスタイルのスノーボーダーを見つけて、積極的に話しかけてほしいですね。

ーーそれはどういった理由からでしょうか?

優斗:お手本がいることで成長は早まりますし、僕が今まで見てきた限りでは上達が早い子ほどわからないことを自ら質問してくることが多い気がしていて。

ーーとはいえ、憧れのプロに話しかけるのは勇気が必要な気もします。

優斗:実は僕も最初の頃は自分からいけないタイプでした。でも、14、5歳のときに(片山)來夢くんと話せるようになってからフリーランもパウダーも上手くなった実体験があるので、緊張するとは思いますけど直接話すことがすごく大事だと思っています。それに先輩スノーボーダーって年下から頼られるのが意外と嫌いじゃないし、いつも自然と触れているからか、心がおおらかな人が多いんですよ。

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ーー安心できるひと言ですね(笑)。さて、スノーボードの今後について話していただきましたが、ご自身は今後どのような動きを予定されていますか?

優斗:来年ミラノで行われる一番大きな大会への出場、そしてメダル獲得に向けて照準を合わせるところです。

ーー出場が無事に決まれば、世界の大舞台に立つのは3度目になります。結果にこだわる背景にはこれまでの思いもあるかと思います。

優斗:ミラノで優勝することができたら、今あるスノーボードのビッグタイトルをすべて揃えたことになりますし、自分がスノーボードの道に進むきっかけになった目標でもあるので次こそはという気持ちが強くあります。それに、メダルが獲れるかどうかで世の中の反応は大きく変わるので、スノーボードを世の中に印象付けるためにも頑張りたいと思っています。

ーー世界中の注目を集める活躍に期待しています!

優斗:ありがとうございます!

Topic 3
トッププロが教える大会観戦の楽しみ方

――ところで、最近のハーフパイプ種目ではこれまでなし得なかった“4回転半ジャンプ”を組み込んだトリックに成功した選手の登場が話題になっていますが、“何回転を決めるか”以外にも見どころはあるように感じます。

優斗:僕自身も4回転半を大会で決めたいと思っていますし、パワールーティーンといって高回転ジャンプの連続が高く評価されてきました。でもここ数年でその流れは少し変わってきていて。今は回転数を抑えても、パワールーティーンを超えるオリジナリティがあれば高評価に繋がりやすくなっています。なので回転数の多さ=強い選手と言い切れないところはたしかにありますね。

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ーー“オリジナリティに対する評価”というのは、例えばどのような点が挙げられるのでしょうか?

優斗:見た目的にも伝わりやすいのはスイッチ(逆スタンス)です。他のスポーツに利き腕や利き足があるように、スノーボードにも選手ごとに元々得意とするスタンスがあって。それをあえて逆にすることでトリックの難易度を上げるんです。

ーーいわゆる、レギュラースタンス(左足が前)とグーフィースタンス(右足が前)ですね。

優斗:そうです。さらにハーフパイプ種目では、フロントサイドよりバックサイドに回転するほうが圧倒的に難しくて。やったことがある人ならわかると思いますが、ハーフパイプでのバックサイドはゲレンデやジャンプ台では練習できない特殊なトリックです。そういった理由もあり、高評価に繋がるスイッチとバックサイドを組み合わせてルーティーンに入れる、といった考え方もあります。

ーースノーボードのトリックを見慣れていない人でも、選手のスタンスや回転の方向に注目することで理解を深めることができそうですね。

優斗:そう思います。レギュラースタンスの僕も大会でスイッチバックサイドをやるので注目してもらえると嬉しいですね。それに選手のスタンスを覚えると、例えばドロップインしたときに「この選手はスイッチから始めたけどどっちに回転するんだろう」と想像が膨らんでさらに楽しめると思います。

ーー優斗さんの魅力のひとつに高さのあるジャンプがありますが、ハーフパイプ種目ではジャンプの高さも勝敗を左右する大切なポイントです。高く飛べる人ほどトリックが出しやすくなって有利、なんて単純な話ではなさそうですがそのあたりはいかがでしょうか?

優斗:理屈としては高く飛べば回転はしやすくなるわけですけど、重要なのは飛ぶ角度です。蹴り具合が強すぎるとリップ(縁の部分)から大きく離れてしまって、トリックが決められなかったり着地できなくなる可能性が高くなってしまいます。

ーー当然というか、やはりリスクもありますよね。あとよく耳にするワードとして、斜め軸回転と言われる“コーク”があります。

優斗:はい。特に“トリプルコーク”はどの選手もルーティーン内に必ず入れてくるぐらいスタンダードな存在ですね。個人的に、トリプルコークは見ていてとても面白いトリックだと思っています。人によって回転の仕方が異なるんですよ。

ーーえ? それはアリなんですか!?

優斗:トリプルコーク1440というトリックを例にした場合、“縦方向に3回転+横方向に4回転”するんですけど、先に縦回転してから横回転する人もいれば、横回転を先にしてから縦回転する人もいます。もちろん縦横を同時に回転させるのが一番キレイなんですけどそれがまた難しくて。

ーー多くの選手が挑むトリックなだけに、違いを見つけるワクワク感がありそうです。優斗さんのルーティーンにもトリプルコークが入るわけですよね?

優斗:もちろんです。トリプルコークをどう繋げていくか、そして自分の持ち味である全方向への回転をどう表現するのか。その答えをたくさんの人に早く見てもらいたいです。

Topic 4
必ず腰に着けて滑る、とっておきの相棒

ーー優斗さんのお気に入りは、スポーツシーンだけでなくデイリーユースにもピッタリなDW-H5600シリーズでしたよね。

優斗:そうなんです。スノーボードをしているときはアナログよりデジタル表記のほうが見やすいので大会などでもよく愛用していて。まさに僕の相棒と言えるモデルです。それに色のなかでホワイトが一番好きなので、いつでも持っていたいというのもあります。

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ーー今日はDW-H5600シリーズの他に、最近特に気に入っている3モデルを持ってきていただきました。

GBX-100S-1

優斗:これはスポーツラインG-LIDEの新作。メタルとスケルトンのコンビネーションがかっこよくて、気分に合わせてDW-H5600と使い分けています。いろんなアクティビティに役立つ計測機能が備わっているので、ジムトレーニングやウォーキングなどにも最適なんですよ。

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ーーこちらはフルメタルモデルですね。

GM-2110D-2A

優斗:フルメタルは洋服を少しかっちりとした印象で仕上げたいときに合わせることが多いモデルです。着けるとスタイリングをぐっと引き締めてくれるんですよね。ドレスコードじゃないですけど、年齢的に大人な雰囲気のお店で食事する機会も増えてきたので、その場にふさわしい1本として愛用しています。

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ーーでは、ラスト1本のご紹介をお願いします。

GA-2100HDS-7A

優斗:僕が大好きなモデル、GA-2100シリーズの新色になります。ホワイトとブルーで夏らしさを感じるカラーリングですし、蓄光なので暗闇で光を放つロマンチックな一面も気に入っています。バイクに乗るときにもさらっと着けたいです。

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ーー時計は毎日をともにするパートナーでもありますが、気分で使い分けることでファッションのように楽しめますし、ハードな練習の気分転換にも繋がりそうですよね。

優斗:自分にとってG-SHOCKはまさにそんな存在で、スポンサーだからという理由で常に着けているわけではないんです。僕はファッションが好きだし、いろんな自分を楽しみたい。だから日常をさらに楽しくしてくれるG-SHOCKが欠かせないんですよね。

G-SHOCK  storage box

ーーアスリートの環境をサポートするだけでなく、G-SHOCKがライフスタイルを彩る役目を担えていることが知れて嬉しいです。今後ますます成長していく優斗さん。これからも一緒に歩んでいきたいです。

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