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精悍な美しさを生み出す仕上げ技術-ザラツ研磨-

精悍な美しさを生み出す仕上げ技術

 

- ザラツ研磨 -

MR-Gの強さと機能美を支える職人技

究極のタフネスと美しさを高次元で追求するMR-Gは、仕上げ加工においても一切の妥協を許さない姿勢を貫いています。そのひとつが「ザラツ研磨」です。

MRG-B2000デザインのように、一般的な時計と比べて面の数が多く、面と面のつなぎ目が鋭い稜線を描くケースは、ザラツ研磨によって歪みのない平滑な面に磨き上げながら、つなぎ目のエッジをしっかりと際立たせ、シャープな造形に仕上げることができるのです。その造形美が生み出す気高く精悍な表情こそ、MR-Gが重きを置く日本人ならではの美意識の現れであり、現代のモデルに脈々と受け継がれているブランドの真髄です。

そして、このMR-Gの強さと機能美を支えるのは、日本に根ざしたものづくり哲学を体現する職人たちです。ザラツ研磨の工程は、長年の経験によってのみ育まれる熟練の技であり、すべてが職人の手作業で行われています。

歪みのない美しい平面を生み出す下地処理、ザラツ研磨

ザラツ研磨は、歪みのない美しい鏡面をつくるための下地処理です。研磨剤のついた回転盤にケースを押し当てながら、表面を磨き整えていきます。

鏡面に仕上げるための「バフ掛け」は、その過程でどうしても稜線の角を丸めてしまうため、ザラツ研磨によって、歪みのない平面をつくることで、バフをかける時間を短くして、面と面のつなぎ目のエッジをしっかりと際立たせることができます。つまり、ザラツ研磨は、シャープな造形を維持するために欠かせない下地処理なのです。

同じザラツ研磨を行う職人でも、技術力の差が最も表れるのが、ケースの面と面の境をなす稜線です。MR-Gのザラツ研磨を担う職人は、ケースの形状や上下左右のバランスを崩さないよう、細心の注意を払いながら、ケースを回転盤に当てる力加減と手を動かすスピード、そして、目視と指先の感覚だけを頼りに手作業で仕上げていきます。高い技術力を有する職人たちが、多くの時間と労力を惜しむことなく、この研磨に力を注ぐことによって、最高峰ラインにふさわしい美しさは初めてかなえられるのです。

職人の知恵は研磨の随所に光る

ザラツ研磨の「ザラツ」とは、半世紀以上前に存在したスイスの工作機械メーカー「SALLAZ」がその名の由来とされており、この加工に使われる研磨機も同社から輸入されたものが原型です。しかし、現存するものはすでになく、今日を生きるザラツ研磨に精通した職人の知見や経験をもとにつくられた自製の研磨機と研磨剤によって、美しい仕上がりを実現しています。

平滑で美しいヘアライン面を作る、緻密で均一な「筋目つけ」

繊細なヘアライン面をつくる筋目は、回転する研磨紙にケースを押し当てることによって生まれます。ザラツ研磨と同様、経験に基づく目視と指先の繊細な感覚を頼りに、職人は緻密で均一な筋目を丹念につけていきます。指先に入れる力とケースを研磨紙に押し当てるスピードを一定に保たなければ、筋目が深くついてしまい、結果としてケースの稜線の位置が変わってしまうことがあります。MR-Gの威厳のある美しさは、デザインに込められた意志と職人たちの技術によって支えられています。

金属塊が、MR-Gのケースになるまで

ケースは鍛造したあと、切削による形状の作り込みをします。MR-Gの場合、研磨の前段階に行うその切削の工程では、CNC(Computer Numerical Control=コンピューター数値制御)を搭載した工作機械を用いて、ケースの表面や内側を0.01ミリ単位で切削し、形を整えたのち、研磨の工程へと移り、各面を丁寧に磨き上げることで、MR-Gのケースはようやく完成します。

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